...その次にひどく落ち付かぬ様子をし出したのは事務長と向かい合って食卓の他の一端にいた鬚(ひげ)の白いアメリカ人の船長であった...
有島武郎 「或る女」
...私は縁側の一端に...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...鳥類の捕獲には一端に石或は角の小片を結(むす)び付(つ)けたる紐(ひも)の...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...此永劫の薄明(うすあかり)の一端に佇(たたず)んで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...これ彼得(ペートル)大帝の宿志(しゅくし)を成せし一端にして...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...墓の一端に、その頭部のしるしたる小高い所に、黒い木の十字架が立っていて、白い文字がしるしてあった、「陸軍大佐男爵ポンメルシー...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そしてその一端に達すると...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...テーブルの一端に身を置いてジャヴェルを自分のものにした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...凧糸の一端に結び文のようなものが附いていることを認めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...歌舞のことに就いて一向知識のない私には、善くも分らないが、四十人ばかりの婦人が二つの大きな輪を作り、外の方は年の取つた人々で、其の一端には、最も年上の五十位のお婆さん連が八人、紫や紅の布を頭に卷き太鼓を持ち、他の人々は皆な四つ竹や扇子、拂子樣のものを手にしてゐる...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...テーブルの一端に座った赤ら顔の太った男は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...その視線の一端に...
牧野信一 「蛍」
...ほととぎすみ山にこもる声きゝて木曾のかけはしうちわたるらん 伽羅生卯の花を雪と見てこよ木曾の旅 古白山路をり/\悲しかるへき五月哉 同又碧梧桐子の文に日と雨を菅笠の一重に担ひ山と川を竹杖の一端にひつさげ木賃を宿とし馬子を友とし浮世の塵をはなれて仙人の二の舞をまねられ単身岐蘇路を過ぎて焦れ恋ふ故郷へ旅立ちさるゝよし嬉しきやうにてうれしからず悲しきやうにて悲しからず...
正岡子規 「かけはしの記」
...北は奥州の一端に及んで...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...附属地の一端に広大な地域を占め...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ここの山蔭の一端には...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そしてさて――鞴(ふいご)のそばの切株に腰かけて、この真っ黒な細工場と、そこからすぐ筵(むしろ)の敷いてある三間(みま)ほどなこの家の中を見まわしてみると、なるほど、壁の一端に、かねて噂に聞くところの鎖鎌という見つけない武器が、およそ十挺(ちょう)ほど、板に打ちつけてある角掛(つのかけ)に懸けてある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その広場の一端に田舎を向いて要塞が立っていたのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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