...一突き突きさえすれば...
芥川龍之介 「偸盗」
...一突きに杜子春を突き殺しました...
芥川龍之介 「杜子春」
...一突きに脾腹(ひばら)を突かれたでしょう...
芥川龍之介 「藪の中」
...一突きつき飛ばしたれば...
井上円了 「おばけの正体」
...短刀で一突きにされたという青年の死体の転がっていたマーケット...
田中英光 「野狐」
...血が袴(はかま)の裾(すそ)に」「傷はどうじゃ」「胸を一突き」「もっと提灯を近く」「ああかわいそうに...
中里介山 「大菩薩峠」
...驚いた後は小癪(こしゃく)に触(さわ)ってただ一突きに突き倒す気合で来たのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして抱き締めて、苦しがっているところを刀を抜いて、一突きに突いて、なぶり殺しにしていたところが、私には、はっきりとわかりました」「ナニ、お前は、いよいよ不思議なことを言う盲人だ」検視の役人は米友の訊問を打捨てて、弁信の糺問(きゅうもん)にとりかかろうとします...
中里介山 「大菩薩峠」
...この旦那様さえなければ、この旦那様をさえないものにすれば……幸いここは甲斐と信濃の山路の奥、いま降り出した烈しい夕立、只さえ人通りのないところを、前後に全く見ている者はない、天道様さえこの豪雨で姿を隠している、ここに脇差がある、旅の用意の道中差、家を出る時、わたしは用心のために研(と)いで置いた、旦那はこの通りよく眠っている、これで一突き、それで万事がきまる、もし間違って、少しは騒がれてもこの場合、この雨――そうして、後ろは何千丈の谷底だ、死骸をあれへ突き落してしまえば、あとかたもなくなる、もし、見つけられても盗賊追剥の災難といえばそれでも済む――ああ、お内儀(かみ)さんの姿が目の前に浮んで来た、あのたっぷりしたお内儀さんが、にっこり笑って、おお、そうそう、お前の思い通り、一思いにそうなさい、そうそう臆病になっちゃいけない、強い心で……と言ってお内儀さんが手を添えて下さる、もう我慢ができない、決心した!」こう思うと若い番頭は、急に物狂わしくなり、わななく手元で脇差を取ると早くも鞘(さや)を払い、いきなり主人の身辺に寄ると、後ろに悪魔がいて手伝いでもするかの如く、すごい勢いで、主人の咽喉(のど)をめがけて、その脇差を柄(つか)も通れと突き立てました...
中里介山 「大菩薩峠」
...油斷をしたところで金助を後ろから一突きに殺したんだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人でも獣でも之なら一突きだ」と答えた...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...冴えた腕に、処理されたこととて、いずれも、一突き、一薙ぎで、そのまま、うんともすうとも息を吹くものもない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そこを兵曹長が横からもう一突きやりました...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...ぐさりと一突き!「あツやられた!」今太郎君は自分がやられたものゝやうに...
宮原晃一郎 「動く海底」
...誰だってわりきれた心持でいられるわけだわねえ」紀子の声にふくまれている小さい尖ったものは峯子にとって予期しなかった一突きであった...
「今朝の雪」
...咽頭(いんとう)の処をブスリと一突き……乳の間から鳩尾(みぞおち)腹部へと截り進んで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...儀助の槍は不思議に一突きで敵を倒した...
吉川英治 「剣難女難」
...「あッ……」「えいッ」当て身の一突き――大助は苦もなくそれで横倒れになる...
吉川英治 「剣難女難」
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