...恐らくそれは此女の自分を一睨した時の目付それであらう...
石川啄木 「雲は天才である」
...僕の一睨みですくんで了ふやうな校長も居まいからね...
石川啄木 「漂泊」
...一睨(ひとにらみ)睨まれた時は...
泉鏡花 「婦系図」
...谷は巡査を一睨みしただけで沈黙させると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...誰も主人でござると言ってないのにまずもって私に鋭い一睨(いちげい)をくれた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...京都所司代が一睨みすれば...
直木三十五 「南国太平記」
...このお角さんの一睨(ひとにら)みでたくさんだ――とお角さんは...
中里介山 「大菩薩峠」
...昂然と頭をあげて断崖の彼方を一睨(にら)みし...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...……自分は小梅署に在勤いたします安藤……」真名古はジロリと一睨みをくれて...
久生十蘭 「魔都」
...一睨みで、虎をさえ居竦(いすく)ませると言うではないか...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...いっち怖いは成吉思汗(ジンギスカン)様の一睨み――おや! これでもお笑いにならない...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...進藤等の方一睨して又群衆に向って...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...「サア」と筆者を一睨(ひとにらみ)しながら立上る...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...あの人の一睨みには敵(かな)わない...
夢野久作 「暗黒公使」
...ただ一睨(いちげい)の視線の下に圧伏さし得た者は...
横光利一 「日輪」
...ただ一睨の下に圧伏さし得る不弥の女を持つものは彼らの軍であったから...
横光利一 「日輪」
...冷然と一睨(いちげい)して...
吉川英治 「剣難女難」
...いで、一睨みに」と、身を現して、舷端(ふなばた)に突っ立ち、徐盛の舟へ向って呼ばわった...
吉川英治 「三国志」
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