...その主張に一理あることを認めないではなかった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...彼女のこの想定にも一理ある...
谷譲次 「踊る地平線」
...其訪問を忌避したのも一理ある...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...それも一理あるが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...一理あるとすれば...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...唯是れ循環と看做さるゝことの亦復一理あることを...
内藤湖南 「學變臆説」
...「何方にも一理ある場合は親の方を子は聴入れなくつちやァ不可ない」といふ...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...尤もその思想の一理あるは許容すべきであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...これは一理ある説で...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...あんたにも一理ある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...「諦めるほうが賢いだろう、あんたの使者の立場にはお気のどくだが、本枝和解などはもう末の末だ、時はぐんぐん動いている、ほかにもっと重大な問題がある筈だよ」「さればこそ本枝和解が大切なのだと存じますが」「さればこそとは」「さきほど先生の仰せに、まず国論民心の統一というお言葉がございました、さし迫っている時代の転換が重大であればあるだけ、国内はひとつに纒(まと)まらなければならぬ、『日本中の心が天皇親政の一点に集中した時』と仰せられた、その集中のためには小怨私憤を去って大きく纒まらなくてはならぬと思います、高松はそれを望んでいるのです」「うまく揚げ足をとったな」東湖はにっと苦笑した、「たしかに、それは一理ある、だが早水さん、その話はあんたのもので高松全藩のものじゃない、そうだろう」「しかしわたくしは現にこうして左近頼該さまの使者としてまいっているのです」「あんたは藩士じゃない」思いもかけぬところを東湖は突いた、秀之進は眼をみはった、「これはむろん使者としてのあんたの価値を指すのではない、高松の考え方がどこにあるかを云うのだ、もし本当に和解を計ることが必要であるなら、こんな密使の形式をとることはないんだ、そう思わないかね」「お言葉ですが、高松の事情はご存じのとおり単純ではありません、讃岐守さまと左近さま、江戸と国許(くにもと)、ひと口に申してもこの二つの流れがあります、そして」「その流れを一つにすることのほうが」と東湖はすばやく口をんだ、「本枝和解よりも先決問題ではないのか、高松には限らぬ、どこの藩でも事情は同じことだ、新しい時代の潮流に棹(さお)を入れようとするものと古い塔をまもりぬこうとするものと、この二つはいま日本じゅう到るところで拮抗(きっこう)している、水戸だってその例から洩れはしないのだ、うちあけて云えば……、本枝和解の意義はかなり大きい、幕府における讃岐守さまの地盤と、老公を戴く水戸の勢力とが一つになることは、新世代への政治にかなり強い軸をなすだろう、たしかにその点は見のがすことはできない、左近さまの望むのはそれだけれども、老公と高松とを離反せしめた事情を考えれば、いま両家の合流を計ることは無理だということがわかると思う」「両家御不和の原因が甲辰の事のほかにあるでしょうか」東湖はぐっと秀之進の眼をみつめた……いつか戸外は日が翳(かげ)って風だち、どこか遠くで微かに雷が鳴りはじめていた...
山本周五郎 「新潮記」
...あの言葉はたしかに一理あると思う」「おれの言葉などはどうでもいい...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...それにも一理あるな」やっと頷いた馬春堂の耳を引っぱッて...
吉川英治 「江戸三国志」
...その憂いも一理あるな」呂布は急に糜竺(びじく)を招いて...
吉川英治 「三国志」
...それも一理ある言だな...
吉川英治 「三国志」
...其許(そこもと)としてはみな一理あることと...
吉川英治 「新書太閤記」
...今夜の火事より急だろうぜ」「それも一理あるな? ……」と...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――ま、一理あるな...
吉川英治 「無宿人国記」
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