...始終一歩ずつ上手(うわて)を行くような事務長が一種の憎しみをもってながめやられた...
有島武郎 「或る女」
...一重また一階の過程に整然たる秩序の道を一歩ずつ踏み上りて...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...それから一歩ずつ進んでついに立派なものまでにでき上がるのである...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...サイラスは猫のように一歩ずつ足をはこんで...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...私が知って以来の彼女の一切の傾向は此の病気の方へじりじりと一歩ずつ進んでいたのだとも取れる...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...彼女が一歩ずつ最後の破綻(はたん)に近づいて行ったのか...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...砂利だらけの道の上で一歩ずつ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...一歩ずつ近よって見すましていた覆面が...
中里介山 「大菩薩峠」
...一歩ずつその方向に近づく意図をもって...
中谷宇吉郎 「六三制を活かす道」
...そうして考えれば考えるほど一歩ずつ迷宮(メーズ)の奥に引き込まれるような面白味を感じた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...変わるごとに一歩ずつ小さくなり...
新渡戸稲造 「自警録」
...二人は思わず一歩ずつ飛退(とびさが)って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...後退りに一歩ずつ沼の方へ退りはじめた...
久生十蘭 「地底獣国」
...しずしずと一歩ずつ着飾った聴衆たちは控えの間からホールへ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...一歩ずつ解決に押しすすめてゆく...
宮本百合子 「合図の旗」
...一歩ずつ黒ずんだ姿を運んでくるのが...
室生犀星 「香爐を盗む」
...一歩ずつ大地を踏みしめるような足どりで上屋敷へ帰っていった...
山本周五郎 「落ち梅記」
...どっと一歩ずつ後方(うしろ)へ身を退(ひ)き...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索