...三人は手近の一樹の幹に近づいて...
江戸川乱歩 「影男」
...こう言って利休は庭におり立ち一樹を揺すって...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...植木屋の掘りかけてある梅一樹昭和六年四月十七日 家庭俳句会...
高浜虚子 「五百句」
......
種田山頭火 「行乞記」
...道側に大きなヤチダモが一樹黄葉して秋雨(あきさめ)を滴(た)らして居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...窓前一樹染むるがごとく紅(くれない)なる桜の梢(こずえ)をあざやかに襯(しん)し出(いだ)しぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...窓外の膚白き一樹は扉(とぼそ)漏る赤き灯(とぼし)に照らされていかつく張つた大枝も...
富永太郎 「夜の讃歌」
...門内の一樹がわづかに昔の名残を留めてゐるに過ぎなかつた...
永井荷風 「里の今昔」
...次の日は朝の程に鵜戸の窟にまうでゝ其の日ひと日は樓上にいねてやすらふ手枕に疊のあとのこちたきに幾時われは眠りたるらむ懶き身をおこしてやがて呆然として遠く目を放つうるはしき鵜戸(うど)の入江の懷にかへる舟かも沖に帆は滿つ渚にちかく檐を掩ひて一樹の松そばだちたるが...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...かく同じ一樹で樹上で二回花の咲くことを学者でさえも知っていないのであるのはどうしたもんだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...一樹を断てば十二樹を生じ...
南方熊楠 「十二支考」
...一樹下に到り忠茂俄(にわか)に眠を催す...
南方熊楠 「十二支考」
...頼有残楓一樹紅...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...全く眼に入る一樹も無い...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...私におまかせ下さい」柳の一樹に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一樹(じゅ)の縁だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...此寺(ここ)の一樹を頼って...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...天勾践(テンコウセン)ヲ――の一樹の桜だが...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索