...三人は手近の一樹の幹に近づいて...
江戸川乱歩 「影男」
...熟(つらつ)ら惟(おもんみ)る迄もないが、一八二五年ブーラールが死んでから百年目(正確に云えば百一年目)に僕が此の雑文を書くようになったのも、――少々阿呆陀羅(あほだら)経めくが――やっぱり、一樹の蔭、一河の流れで、之を要するに、他生の相対性原理とか何とか云うのだろう...
辰野隆 「愛書癖」
...その二は一樹(いちじゅ)の垂楊図(すいようず)の上部を限る霞(かすみ)の間(あいだ)より糸の如きその枝を吹きなびかす処...
永井荷風 「江戸芸術論」
...門内の一樹がわづかに昔の名残を留めてゐるに過ぎなかつた...
永井荷風 「里の今昔」
...門内の一樹がわずかに昔の名残を留めているに過ぎなかった...
永井荷風 「里の今昔」
...しかして両国橋(りょうごくばし)よりやや川下の溝(みぞ)に小橋あって元柳橋(もとやなぎばし)といわれここに一樹の老柳(ろうりゅう)ありしは柳北先生の同書にも見えまた小林清親翁(こばやしきよちかおう)が東京名所絵にも描かれてある...
永井荷風 「日和下駄」
...一樹の蔭に凉を取れば...
長塚節 「草津行」
...次の日は朝の程に鵜戸の窟にまうでゝ其の日ひと日は樓上にいねてやすらふ手枕に疊のあとのこちたきに幾時われは眠りたるらむ懶き身をおこしてやがて呆然として遠く目を放つうるはしき鵜戸(うど)の入江の懷にかへる舟かも沖に帆は滿つ渚にちかく檐を掩ひて一樹の松そばだちたるが...
長塚節 「長塚節歌集 下」
......
長塚節 「長塚節句集」
...一樹立(こだち)の青葉は...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...そしてこの詩の前書きは「招賢寺ニ山花一樹アリテ人ハ名ヲ知ルナシ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...紅梅は近く一樹一樹を観るのがよいと思う...
牧野富太郎 「植物記」
...――げにや一樹の蔭に宿り...
山本周五郎 「風流太平記」
...一樹(じゆ)が一年に平均八十個の実を産し...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...全く眼に入る一樹も無い...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...果たして一樹の下に...
吉川英治 「三国志」
...大きな一樹の前に佇んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...一樹(じゅ)の縁だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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