...それを一概に老人の專有物のやうになさるにも及びますまい...
會津八一 「趣味の修養」
...しかしさう一概に黒と白といふやうには行かないものである...
芥川龍之介 「プロレタリア文学論」
...そう思われることを私は一概に排斥するものではない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...余人はいざ知らず私だけには事あの三人に関する限りこういう荒唐無稽(こうとうむけい)な風説をも一概に一蹴することのできぬある割り切れぬものを感じていた...
橘外男 「逗子物語」
...唯物論の歪曲は一概に云って了えば取りも直さずそれだけ観念論なのだから...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...物はそう一概に言うものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...一概には言えないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...梅干だって一概に馬鹿には出来ないさ」「なんて君まで婆さんの肩を持った日にゃ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...僕が夢を一概に迷信として排斥(はいせき)すべからずといったのもこれがためである...
新渡戸稲造 「自警録」
...歴史上必ずしも一概に論じ難い點が多いのである...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...一概に擯斥(ひんせき)する者あり...
福沢諭吉 「旧藩情」
...貧富に由り又は商買職業によりて住居は一概に論じがたし...
福澤諭吉 「養生の心得」
...お前たちが自分によっても他人によっても経験しなかったことを一概に悪いものにしてしまうのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一概に婦人を崇拝したような小説の出るのを願うのではありません...
与謝野晶子 「産屋物語」
...男をも一概に動物的であるとは申されますまい...
与謝野晶子 「産屋物語」
...昨日今日威勢の好い民主自由の思想に何の省慮も取らず共鳴する人の殖えて行くのは一概に嬉しいとはいわれません...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...一概に然(さ)うでも無さ相(さう)である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...一概に彼の短所とも云ひきれない事かと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
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