...それを一概に老人の專有物のやうになさるにも及びますまい...
會津八一 「趣味の修養」
...しかしさう一概に黒と白といふやうには行かないものである...
芥川龍之介 「プロレタリア文学論」
...一概に散兵戦術と云うも最初は散兵はむしろ補助で縦隊の突撃力が重点であった...
石原莞爾 「戦争史大観」
...一概に美妙や紅葉の取った道を間違ってると軽断するではないが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...華厳は議論だが――抽象究的(ちうしやうきうてき)で説明で一概に推して行つた議論だが...
田山録弥 「谷合の碧い空」
...こいつは何うも一概には言へないな』――昨夜話してゐる中にこんな言葉が雜つてゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...写実を尊んで理想を一概に排斥する極端論者の説にも一理はある...
寺田寅彦 「備忘録」
...いろいろの種類があるだろうから一概にはいえないはず...
中里介山 「大菩薩峠」
...そう一概に悪い人ばかりあるわけではござんすまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...もっともこれは逆桟道(さかさんどう)の祟(たた)りだと一概に断言する気でもない...
夏目漱石 「坑夫」
...一概に所謂「科學的な童話」を好むとは信じられない...
萩原朔太郎 「童話と教育について」
...愛想がつきた」「そう一概にいったもんでもないさ...
久生十蘭 「魔都」
...一概に定めてしまはなければ埒の明くものぢやないさ...
牧野信一 「海路」
...万葉歌にある山菅を一概に麦門冬一天張りで押し通そうとするとそこここに矛盾があって解釈に無理を生ずる事を...
牧野富太郎 「植物記」
...苟も萬葉を研究せんとする人にして一概に五七をのみ歌の調と思ひ三言四言六言等の趣味も變化も知らず...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...または昔の郷・荘の大地名がわずかに一小地域に残るようなこともあろうから一概には言われぬ...
柳田國男 「地名の研究」
...だから一概に今を悲観するにはあたらないし...
吉川英治 「人間山水図巻」
...さうとも一概にいへませんよ...
若松賤子 「黄金機会」
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