...一昨々年(さきおととし)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...一昨々年の十月、僕はひそかに上海へ行った...
大杉栄 「日本脱出記」
...一昨年は一昨々年よりも約二万一千へり...
大杉栄 「日本脱出記」
...一昨々日急にあちらへお立ちになつて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...(後略)*(前略)一昨々年春以来他へ転居候為め...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...一昨々年十六歳の初秋に父を喪った末娘の将来を心配して老いた母は上京に意を決し...
「草藪」
...一昨々日と同じ特急で...
武田麟太郎 「現代詩」
...一昨々日(さきおととい)をもって完全なる葬送を終りました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...母は一昨々年(さきおととし)の四月頃から持病の腎臓病が悪化して...
橘外男 「仁王門」
...下痢が始まったのは発病してから二十四時間後の一昨々日(さきおととい)の夜であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...家も稼業(かげふ)もそつち除(の)けに箸(はし)一本もたぬやうに成つたは一昨々年(さきおととし)...
樋口一葉 「十三夜」
...一昨年のかも一昨々年のかも知れなかった...
久生十蘭 「海豹島」
...……私は一昨々年の夏...
堀辰雄 「菜穂子」
...一昨々年でござったかのう――左様...
本庄陸男 「石狩川」
...それは一昨々年の初冬落葉の頃であつた...
山村暮鳥 「風は草木にささやいた」
...取引所の事情を知り抜いている話ぶりなので……そうして内々で準備をしていると一昨々日(さきおととい)……十一日の朝になって岩形氏がひょっこり遣って来て...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼は一昨々夜、闇の中で黙々と彼に身を委ねたお杉のことを思い出した...
横光利一 「上海」
...晩年は、さすが病床に親しまれがちだったが、一昨々年、ぼくが菊池寛賞をもらい、その受賞祝賀会を友人たちが東京会館で開いてくれたとき、わざわざ横浜から来て下すった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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