...一散(いっさん)ににげ出した様に思われます...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...平生不平事尽向二毛孔一散...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...蜀山人(しょくさんじん)が作にも金竜山下起二金波一〔金竜山下(きんりゅうさんか)に金波(きんぱ)を起(お)こし砕二作千金一散二墨河一千金(せんきん)を砕作(さいさく)して墨河(ぼくが)に散(ち)る別有三幽荘引二剰水一別(べつ)に幽荘(ゆうそう)の剰水(じょうすい)を引(ひ)ける有(あ)りて蒹葭深処月明多蒹葭(けんか)深(ふか)き処(ところ)月明らかなること多(すぐ)れり〕という絶句がある...
永井荷風 「向嶋」
...駒込七軒町の主人の店まで一散(いっさん)に逃げて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...リスたちはきらびやかな尻尾をはたいて木から木へと一散に駈け...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「チカモーガ」
...お力は一散に家を出て...
樋口一葉 「にごりえ」
...クルリと魚体をかえして一散に沖のほうへ逃げだした...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...一散に駆け出して行つた...
牧野信一 「南風譜」
...後をも振り向かず一散に波打ちぎわを駆け出した...
牧野信一 「円卓子での話」
...私の乗った自動車は強く一揺れ揺れて一散に...
松本泰 「日蔭の街」
...早田は柵門を通って奥への道を一散に走って消える...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...仙太!(言い放って井上が追って来そうな気配を見せるので一散に揚幕へ消える)井上 いいのですか...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...中村仲蔵(未映画化)――――――――――原作並脚色 山中貞雄=(F・I)道鏝不付の半次が徳利持って一散に走って居る...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...肩に荷(かつ)ぐが早いか一散にこの室(へや)を走り出ました...
夢野久作 「白髪小僧」
...御方は衂(ちぬ)られた小太刀を振って一散に追いかけ斬りかけて行った...
吉川英治 「剣難女難」
...一散に山から追い出したのである...
吉川英治 「三国志」
...紅梅河岸(こうばいがし)を一散にぬけて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...医王山の境内でも廃寺の折でも隙を見るや一散に逃げ去ったことであきらかに知れている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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