...一散(さん)に遁(に)げて行(ゆ)く...
泉鏡太郎 「怪力」
...戸締をして寶兒を抱えて何家(かけ)の方へと一散に走った...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...一散に乞食のあとを追った...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...恐い物にでも追はれるやうに反対の方角へ一散に走つた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...が平吉は一散に逃げ出した...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...自分は身を飜して一散にもと来た方へ走(は)せ出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...駒込七軒町の主人の店まで一散(いっさん)に逃げて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は夫(それ)から又(また)一散(さん)に走(はし)つた...
長塚節 「土」
...曲者は一散に逃げ失せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...逃(に)げ出(だ)すやうにして一散(さん)に家路(いゑぢ)を急(いそ)げば...
樋口一葉 「われから」
...一散に走りだした...
火野葦平 「花と龍」
...――雪子は一散に駆け出した...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...窓を飛び抜けて一散に裏山の蜜柑林の中へ駆け込むのだ...
牧野信一 「読書と生活」
...「一散に――行け...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...私はくるりと踵を返して一散にもと来た方へと引き返した(一〇・〇〇)...
松濤明 「春の遠山入り」
...さうして一散に私の心はあなたへと走せかへります...
水野仙子 「道」
...あまり飛ばすなよ」「心得た」駒は石神堂をあとにして椎名(しいな)方面へ一散に走り出してゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
...もう一散に駈け出したのであった...
吉川英治 「剣難女難」
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