...中には一握り位ある女の髪の毛を円(まる)くして入れてあった...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...一握り取り出して包み紙の上に並べて点検しながらも...
寺田寅彦 「球根」
...半ば黒焦げになった一握りの麦粒のほうがはるかに強く人の心を遠い昔の恐ろしい現実に引き寄せるように思われた...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...これは決して一握りの机上の空論家の反対には止まらなかったのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...音楽はある一握りの人々からしかほんとうには愛されてはいなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一握りの粟を取出し...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...身をかがめて舗石(しきいし)の上から一握りの雪を取り...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一握りの人数をもって多数の軍隊に対抗せんとしているだろう! 愛にも...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
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中野鈴子 「小林多喜二のお母さん」
...粉石鹸を一握り加えて石鹸湯にする...
中谷宇吉郎 「捨てる文化」
...房(ふ)っさりした散髪を一握り額にこぼして...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...ハンカチーフは片手で一握りのまゝきゆつとしぼつて...
林芙美子 「暗い花」
...一握りの分量宛に土塊を砕きとつて水に浸し...
牧野信一 「心象風景」
...よく煉れた時分にメリケン粉を一握り掴(つか)んでバラバラとその上へ振かけて木鉢の上へ大きな布巾(ふきん)を蔽(おお)うようにかけておきます...
村井弦斎 「食道楽」
...そしたら一握りくらいの大きさの...
柳田国男 「故郷七十年」
...一握りの稗(ひえ)だに無(の)うて...
吉川英治 「新書太閤記」
...いまでこそ、この家も、能登(のと)七尾(ななお)に一城、この府中に一城、父子両方で二十二万石の雄藩をなしているが、清洲時代の貧乏は、隣の藤吉郎の家にも負けないくるしさで、米の一升借りはおろか、塩の一握りや、一夕(いっせき)の燈(とも)し油(ゆ)さえ、あったりなかったりで、(おや、今夜は明りがついておるぞ)と、隣家の富有な日が、すぐそれでも分るくらいな時もあった家である...
吉川英治 「新書太閤記」
...一握りの砂を拾って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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