...中には一握り位ある女の髪の毛を円(まる)くして入れてあった...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...晩食は一握りの米をお粥にしてすました...
種田山頭火 「其中日記」
...頭を大部分剃(そ)って頂上に一握りだけ逆立った毛を残した...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...半ば黒焦げになった一握りの麦粒のほうがはるかに強く人の心を遠い昔の恐ろしい現実に引き寄せるように思われた...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...一握りの草をつかんだと思ったら...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...一握りの砂でも歯車仕掛けの急所に投ぜらるれば...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一握りの懷紙を生垣の中に突込み...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一握りの懐紙を生垣の中に突っ込み...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...髯(ひげ)の中の一握りの束をしごき...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...あとの二人はすぐ了解するぜ」メイフィールドがソブリン金貨を一握り渡すと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...吹き出ものだらけの赤ん坊同様こんなものは食えるものではないのだ!搾り上げられた胃の腑がすぐと米粕を突き上げてきたツアーの「恩典」は単なる僕ら自身の一握りの汗の変形としての食糧をさえ...
槇村浩 「餅の歌」
...一握りの進歩的大名と...
宮本百合子 「木の芽だち」
...――したがって一握りの残飯をやるにも...
山本周五郎 「季節のない街」
...もし眼をかすめて一握りの塩でも敵に売った者があれば...
吉川英治 「上杉謙信」
...塩を見たものはその白いものを一握り握ってみて...
吉川英治 「上杉謙信」
...その時々の胃をしのぐ一握りの黍(きび)も犬の肉すらもありつくのに困難だった...
吉川英治 「人間山水図巻」
...一握りもある太い綱に曳かれて徐々に前へ出てゆくのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...家の數二十軒ばかりが一握りにかたまつてゐる村であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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