...澁茶を一掴み隣家から貰つて來た...
石川啄木 「天鵞絨」
...ただ一掴みの毛だけはそのままに綿に包(くる)まって出てまいりました時には...
橘外男 「蒲団」
...己の胸のあたりの毛を一掴み抜いてそれを張の手に握らし徐(しずか)に山の上へ帰って往きました...
田中貢太郎 「人蔘の精」
...一掴みばかりの枝屑がぱらぱらと落ちて来た...
田中貢太郎 「忘恩」
...どれでも通りがかりの車から拾い取ることの出来た最初の一掴みの藁を加えれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...一掴みの白布が私の手に渡される...
外村繁 「澪標」
...一掴みにされたように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...その途端、次の間から――月丸の半立ちになった耳のところで、障子一重の近さで「何んの御用かの」その声は低かったが、柔(やさ)しかったが、月丸は、頭から、一掴みに、身体ぐるみ、冷たい手で掴まれたように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...胴中(どうなか)のところをグッと一掴みにしたまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...薬草を一掴み掴んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...受けなしの片手をさし込んでの一掴み...
中里介山 「大菩薩峠」
...一掴みと躍りかかった大蛸は忽(たちま)ち手足を烈しく刺されて退却せねばならなかった...
中島敦 「南島譚」
...この家の婆あの麻扱(あさこき)から苧屑を一掴み取つて来て...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...箱に手を入れて一掴みの粟を...
宮本百合子 「餌」
...足元の雪を一掴みしゃくってガブリと口にふくみ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...するとそれと一所に妾の懐から一掴みの紅玉(ルビー)の粒がバラバラと床の上に落ちました...
夢野久作 「白髪小僧」
...出迎えた細君に残りのバラ銭を一掴み投げ与えた...
夢野久作 「呑仙士」
...二つの崎山の間に一掴みに家が集つてゐるのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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