...粗糖を一掴み加えてコーヒーを淹れた...
...いやな兄さんだこと」といって僕が大急ぎで一(ひと)かたまりに集めた碁石の所に手を出して一掴(ひとつか)み掴もうとした...
有島武郎 「碁石を呑んだ八っちゃん」
...母が取あへず米を一掴み程十能で焦(いぶ)つて...
石川啄木 「二筋の血」
...一掴(ひとつか)みの草を採つて女の上に投げた...
石川啄木 「二筋の血」
...一掴みの煎り豆を握って真正面から馳け出して来たが...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...また木田さんはぼくたちを一掴(ひとつか)みポケットの中に入れた...
海野十三 「もくねじ」
...一掴みの泥をすくい上げ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...どれでも通りがかりの車から拾い取ることの出来た最初の一掴みの藁を加えれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...煙草(たばこ)の煙の籠(こも)り過ぎたのに心づいてわたしは手を伸ばして瓦塔口(かとうぐち)の襖(ふすま)を明けかけた時彩牋堂へ宛(あ)てた手紙を出しに行った女中がその帰りがけ耳門(くぐり)の箱にはいっている郵便物を一掴(ひとつか)みにして持って来た...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...傍らの乱れ籠の中から一掴(ひとつか)みの紙を取り出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...其(その)足(あし)から足(あし)へ渡(わた)した棒(ぼう)へ藁(わら)を一掴(ひとつか)みづゝ當(あ)てゝは八人坊主(はちにんばうず)をあつちへこつちへ打(ぶ)つ違(ちが)ひながら繩(なは)を締(し)めつゝ編(あ)むのである...
長塚節 「土」
...何千本と云ふ髪の毛を一掴にして...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...あとから真っ黒な薬を一掴み入れて煮初めました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...箱に手を入れて一掴みの粟を...
宮本百合子 「餌」
...足元の雪を一掴みしゃくってガブリと口にふくみ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...機を見て無二の眞理を一掴みにせむと控へたり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...出迎えた細君に残りのバラ銭を一掴み投げ与えた...
夢野久作 「呑仙士」
...巨富一掴(かく)の夢がさめて...
吉川英治 「江戸三国志」
...ただし一人一掴みずつだぞ」云い渡したが...
吉川英治 「新書太閤記」
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