...君の生(いのち)は愛の一念であれ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...私は痴(こけ)の一念で...
太宰治 「鴎」
...まあ篤文家とでもいつたやうな痴(こけ)の一念で生きて行きたいと思つてゐるのですが...
太宰治 「津軽」
...ただそれだけが一念でありましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...或人が本願を信ずる人は一念である...
中里介山 「法然行伝」
...罪を忘れたいといふ一念である...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...あなたに逢ひたい一念で戻つたのですもの...
林芙美子 「浮雲」
...男の一念で成就せぬことがありましょうか...
吉川英治 「剣難女難」
...春日新九郎に渡したい一念で...
吉川英治 「剣難女難」
...父の無事な姿を見たい一念で...
吉川英治 「私本太平記」
...覚一さまには」「ただもう琵琶の励みに一念でございますが...
吉川英治 「私本太平記」
...かつては、少女の一念で、尊氏の寝首を掻こうとして、寝所をうかがい、逆に、捕(つか)まッてからは、まったく尊氏に服しきッているような旧北条遺臣の娘であった...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ五人の敵! それに一念であるため...
吉川英治 「神州天馬侠」
...金の大半月(おおはんげつ)の母衣(ほろ)の“出シ”は折れ、幌(ほろ)かごも押し潰(つぶ)れたか、半月の折れたのが、鎧(よろい)の背にかかり、不屈の一念で、ふたたび前に槍で突かれたあたりまで這いゆき、そこで先に取り落した自身の槍を拾うと、さらに、踏み上がって、敵へ突いて蒐(かか)った――というのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...禍いだと申しおる」「鈍物(どんぶつ)の一念でしょう...
吉川英治 「平の将門」
...あいつに逢うのを一念で待っているのだ」「そのお千絵に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「わしも、お身に会ったなら、何ぞ消息(しょうそく)が聞かれようかと、それ一念で、山牢の柵を破ってまいったのじゃ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「死んではならぬ! 死んではならない!」彼は、その一念で、生きていた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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