...一心になるのが莫迦臭いやうな氣がして...
石川啄木 「葉書」
...私は耳をすまして聞いてやろうと確かに一心になってはいたけれども...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...寒い空に風の吹く砂塵(さじん)の道を一心になって...
近松秋江 「狂乱」
...一心になっている...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...一心に工夫してかけたり解いたりしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一心にその町一杯の火の光を見詰めたまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...一心に工夫を凝(こ)らしはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...凌霄のやうだと思ひながら復た女を見ると此度は四本の指を前へ向けて勾欄へ兩手を掛けて一心に燒木杙を見おろして居る...
長塚節 「佐渡が島」
...少しうなだれて何か一心に為(し)ていたところ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何だか懐かしいような気がしてなおも一心に見ていると...
夢野久作 「猿小僧」
...深い息づかい、濡(ぬ)れた脣(くちびる)、「自然」はまっ暗闇の中に這(は)いつくばって、一心に、秘密の物のけはいを偵察していたのだ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...一心に毛糸のジヤケツを編んでゐた...
牧野信一 「熱い風」
...心では光子ばかりを相手にしながら態度だけ一心に舞台を眺めてゐる自分の腹には矢張り光子を遠回しに脅迫してゐる心のあるやうな気がした...
牧野信一 「若い作家と蠅」
...裏からお絹の舞台を一心に見ているところ...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...わたくしが一心に見たい見たいと思ふ念が屆いたといふものでせうか...
森林太郎 「身上話」
...一心に耳を澄ましていると...
夢野久作 「支那米の袋」
...老人の鍬が空(あ)くのを一心に待ち構えているのは何故か……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...遂に届いた一心に対して...
吉川英治 「宮本武蔵」
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