...葉子は恐怖におびえながら一心に暗い中をおどおどと手探りに探ると事務長の胸に触れた...
有島武郎 「或る女」
...と頗る現実的な事を一心に念ずる下品な有様となつた...
太宰治 「津軽」
...一心になっている...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...私の方を一心に見つめていた...
豊島与志雄 「月かげ」
...一心に帰命頂礼(きみょうちょうらい)すれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...縁側のすのこの上で武士風の男が一心に笛を吹いてゐた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...だって一心に練習なさっているとき...
宮本百合子 「裏毛皮は無し」
...並べられた裁縫板に向って女生徒たちが一心に針を運んでいた...
「鏡の中の月」
...それを一心に楽しそうにきいていた...
室生犀星 「音楽時計」
...人がこれだけ一心になると...
柳田国男 「母の手毬歌」
...或る事を一心に考え詰めたり...
夢野久作 「木魂」
...又一心に切符を勘定し初めた...
夢野久作 「暗黒公使」
...そのまま一心に混凝土(コンクリート)の壁を白眼(にら)み付けた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ここまでは澄明(ちょうめい)を持ちこたえて聖域へ攀(よ)じのぼる一心に何ものの障碍(しょうげ)もあらじと思い固めて来た決心も...
吉川英治 「親鸞」
...写図に一心になっている編笠のうしろへ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...一心に覗きこんだ...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...一心にそれをしようと思ふ人と好加減(よいかげん)に上つらでし度(たい)と思ふ人とで大変な違ひになるんですよ...
若松賤子 「黄金機会」
...中には三四十人の浴客がすべて裸體になり幅一尺長さ一間ほどの板を持つて大きな湯槽の四方をとり圍みながら調子を合せて一心に湯を揉んでゐるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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