...一心に念じておいて...
有島武郎 「或る女」
...僕は一心に畳を見つめていた...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...居睡(いねむ)りもしないで一心にほぐしものをやっていられる...
伊藤左千夫 「春の潮」
...三人が一心になって働いた揚句は...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...病的嫉妬に燃える一心には...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...」銀子はその言葉に思い当たり、なまじい美しい着物なんか着て、男の機嫌(きげん)を取っているよりも、これがやはり自分の性に合った仕事なのかと、生まれかわった気持で仕事に取りかかり、自堕落に過ごした日の償いをしようと、一心に働いた...
徳田秋声 「縮図」
...何か一心に考え込んでるらしい眼付で...
豊島与志雄 「好意」
...次には一心に見つめ初めた...
豊島与志雄 「人の国」
...ツルは一心に神に祈っています...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...机に向って一心に物を書きはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...外に出すまいと一心になつた――默(だま)つて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...心では光子ばかりを相手にしながら態度だけ一心に舞台を眺めてゐる自分の腹には矢張り光子を遠回しに脅迫してゐる心のあるやうな気がした...
牧野信一 「若い作家と蠅」
...だって一心に練習なさっているとき...
宮本百合子 「裏毛皮は無し」
...どこまで行っても唯真白いばかりの唐紙の上を一心に見つめて行かなければならぬ事が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...はてな、それにしては、ばかに、お静かだが……』と、胸騒ぎを抑えて、二人が、二階へ上ってみると、草雲は、さっき訪ねた時と、位置も、顔いろも、寸分も変らないで、一心に、絵絹へ向って、背をかがめていた...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...また一心に道を急いだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一心に覗きこんだ...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...中には三四十人の浴客がすべて裸体になり幅一尺長さ一間ほどの板を持って大きな湯槽の四方をとり囲みながら調子を合せて一心に湯を揉んでいるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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