...一心に耳を澄ませているのです...
芥川龍之介 「河童」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...小ツルや早苗(さなえ)のうるんだまなざしが一心にこちらをみつめているのを知ったのは...
壺井栄 「二十四の瞳」
...兄さんは今僕をからかってるんじゃないでしょうね?」「僕がからかうって! 僕は三か月のあいだもあんなに期待をもって僕を一心に見つめていた可愛(かわい)い弟を悲しませるようなことはしないよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...一心に幻を追ってるような眼付になることがあった...
豊島与志雄 「黒点」
...少年は一心になって口をきっと結び...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その両手は堅く縛(いまし)められている処から一心に種彦の袂をば歯で啣(くわ)えていたのであった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...一心に七兵衛の合図ばかりを待っていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...一心に池の面(おも)を見詰める...
夏目漱石 「草枕」
...また一心に手元の水面をみつめてゐる...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...總三郎へ女の心を一心にそゝいでゐるのだらうか……...
林芙美子 「雨」
...一心に潜水艦『富士』の工事を急いでいた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...深い息づかい、濡(ぬ)れた脣(くちびる)、「自然」はまっ暗闇の中に這(は)いつくばって、一心に、秘密の物のけはいを偵察していたのだ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...厚い唇とを一心に見ていた...
水野葉舟 「帰途」
...私の向い側の割合年とった女のひとは一心に英作文をやって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一心に静かに祈っていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...聞き逃すまいとして一心に硝子(ガラス)窓に顔を押し当てていたのであろう...
夢野久作 「暗黒公使」
...また川水を一心に浴びて...
吉川英治 「剣の四君子」
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