...一心に部落の方を眺めていた...
梅崎春生 「日の果て」
...背を曲げて一心に鉛筆を走らせている彼女の横顔は...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...李張は一心になってその文章を暗記した...
田中貢太郎 「悪僧」
...そしてそれとともに一心になって読経(どきょう)せよと云って...
田中貢太郎 「円朝の牡丹燈籠」
...ちょっと手間がかかりますよ」「いい」広栄は蛇の方を一心になって見ていた...
田中貢太郎 「春心」
...お婆さんは一心にきいてゐてくれました...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...何か一心に考え込んでるらしい眼付で...
豊島与志雄 「好意」
...駒井甚三郎が一心に見つめているのは海図であるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...良寛さんは一心になつて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...一心に修業に心を打ち込む有様というものは...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...私の向い側の割合年とった女のひとは一心に英作文をやって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...右近でさえお目にかかりたいと一心に祈っていました結果はどうでございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私の顔を一心に凝視している姉と妻の青褪(ざ)めた顔を見比べながら...
夢野久作 「少女地獄」
...なおも一心に眼を瞠(みは)り...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...これが友吉おやじ一流の遣り方かな……ぐらいに考えて一心に看守(みまも)っているだけの事であった...
夢野久作 「爆弾太平記」
...また川水を一心に浴びて...
吉川英治 「剣の四君子」
...すると、ひしめきあっている群集の後ろから、背のすぐれた大坊主と肉のかっちりと緊(し)まった四十前後の痩せがちの僧とが、「退(の)け」「邪魔だ」と、弥次馬を掻き分け掻き分けして、一心に、輦(くるま)のほうへ近づこうとして焦(あせ)っていた...
吉川英治 「親鸞」
...なんでそう一心に捕まえたがっているのじゃ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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