...「でも一心になつていらつしやるんでございますからね...
鈴木三重吉 「桑の実」
...一心に読み耽(ふけ)っている社長が...
橘外男 「雷嫌いの話」
...私はあなた方のことを一心にお案じ申しております...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あかりの下で一心に針を運びつゝある彼女の傍(そば)に...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...彼女は一心に仕事を続けながら...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...みんな非常に真面目に黙って一心に下を覗き込んでいた...
寺田寅彦 「議会の印象」
...それを一心に見戌ってる私を嘲るのだ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...一心に、金、金、金、金儲け金儲け、とだけ念じている人達の集っている町であるから、こんな事が平気で書けるが、これだけ、印刷文明が普及されていて、猶かくの如き、私の出生町内である...
直木三十五 「死までを語る」
...暫くして、益満が「小太郎のように、一心に、牧を狙っておれる奴は、幸だ」と、呟いた...
直木三十五 「南国太平記」
...一心に着物をたたみながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...望遠鏡を鉄砲のやうに担いで一心に空を眺めながら...
牧野信一 「変装綺譚」
...コラムは跪(ひざまず)いて一心に祈っていた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「魚と蠅の祝日」
...あんなに一心になっているのに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...怖れているために比類ない美しさを一心にこめていた...
室生犀星 「姫たちばな」
...一心に凝りあがつて舞ひ止まつてゐた...
室生犀星 「星より來れる者」
...一心に陀羅尼経(だらにきょう)を読もうとしても(口の上にばかり声は出るが)...
山田美妙 「武蔵野」
...その一心に愛(め)でて五社明神の神力をお授け申そう...
吉川英治 「剣難女難」
...――思うに、充分勝計を信じて、一城一心に、われの不要意に攻めかかる機を待っているに相違ない...
吉川英治 「新書太閤記」
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