...一心に練磨(れんま)を積んだのである...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...一心になつて目前の札を守つてゐる山内に...
石川啄木 「鳥影」
...それから一心に自分で自分を励まし...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...一心にご奉公(ほうこう)を待っておりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...そこに並べられてる白刄を一心に眺める...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...一心にそれを見つめ...
永井隆 「この子を残して」
...前に向って一心に車を引いている米友には...
中里介山 「大菩薩峠」
...此までは私も一心に成つて送りました...
長塚節 「おふさ」
...こう顧慮なく一心にふるまえるゲダンケの主人公が大いに羨(うらや)ましかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...見張の人は一心に彼を見つめてゐる...
平出修 「逆徒」
...私は一心になつて彼女達から眼を放さなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...かの虫のように彼女を一心に見詰めているのを知った...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...なおも一心に寝台の中を覗き込んだ...
夢野久作 「白菊」
...「ちッ……ちッ……」と深股(ふかもも)の傷を押さえながら一心に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...笑壺(えつぼ)にいって一心に聞く...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼は一心にじぶんの長靴をみつめていた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...一心にそれをしようと思ふ人と好加減(よいかげん)に上つらでし度(たい)と思ふ人とで大変な違ひになるんですよ...
若松賤子 「黄金機会」
...中には三四十人の浴客がすべて裸体になり幅一尺長さ一間ほどの板を持って大きな湯槽の四方をとり囲みながら調子を合せて一心に湯を揉んでいるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索