...むかしこの一廓は桃の組といった組屋敷だった...
泉鏡花 「絵本の春」
...それにこの一廓の本家が住んでいたらしい...
梅崎春生 「狂い凧」
...この下っぱ闘牛士なんかのぼへみあん連中が勝手な生活をしている一廓があって...
谷譲次 「踊る地平線」
...主婦はその一城一廓の主人だと...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...これからは田圃(たんぼ)――五六丁を隔ててその田圃の中に一廓(かく)...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの背後に俗に山吹御殿という一廓があって...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼はその汚(きた)ならしい一廓(いっかく)を――様(さま)の御屋敷という名で覚えていた...
夏目漱石 「道草」
...雜司ヶ谷鬼子母神に至る一廓(くわく)に百姓風乍ら高々と生垣を圍(めぐ)らし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雑司ヶ谷鬼子母神にいたる一廓(いっかく)に百姓風ながら高々と生垣を囲(めぐ)らし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この一廓上下四つの部屋を徹底的に調べ始めました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大いになごやかな雰囲気を漂わせていてしかるべき一廓(いっかく)...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...白河二所の関とは一夫道にあたりて万夫も進まざる恐ろしき嶮岨(けんそ)、鬼も出づべしと思ひきや、淋しき町はづれにいかめしき二階づくり、火にぎやかにともし連ねたるを何ぞと近よれば、ここも一廓、秋風の吹かぬ処ぞかし...
正岡子規 「旅」
...恐らく徳川幕府の時代から、駒込村の一廓で、代々夏の夜をなき明したに違いない夥しい馬追いも、もうあの杉の梢をこぼれる露はすえない事になった...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...お城のように締りの厳重な一廓を構え...
夢野久作 「名娼満月」
...女ばかりな寮の一廓を荒くれ男の賭場同様にしても...
吉川英治 「剣難女難」
...仁王(におう)のいない仁王門の一廓(いっかく)を領して...
吉川英治 「親鸞」
...一廓(いっかく)のうちに...
吉川英治 「親鸞」
...実相院址(あと)の一廓は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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