...世俗の所謂「大売出し」をやったことは一度もない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...お説教している人を、偉いなあと思った事も、まだ一度もない...
太宰治 「正義と微笑」
...こんな悲しい眼をしたことは一度もない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...眼に見えない空想や迷信から騷出した事は一度もない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...竜之助はこれによって負けたことは一度もないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...余も――妙な話しだが実は万歳を唱えた事は生れてから今日(こんにち)に至るまで一度もないのである...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...女を連れて旅をすると云ふことはかつて一度もないことなので...
林芙美子 「朝夕」
...「私はこれまでに人を裏切ったことが一度もない! おや...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...今までただの一度もない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...友達と喧嘩をして泣(ない)て家に帰(かえっ)て阿母(おっか)さんに言告(いいつ)けると云うようなことは唯(ただ)の一度もない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...自分は曾て頭髮を中央から分けた事は一度もない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...この時は万引きみたいではなはだきまりの悪いおもいをするが私の態度が明らかに間が抜けているとみえて警官を煩わすほどの事件を惹き起したことは幸いにまだ一度もない...
森於菟 「放心教授」
...妙な眼付きをした事なんか一度もないのです...
夢野久作 「少女地獄」
...だから私などは今日まで気に入った名前ばかりで一篇を創作した場合は一度もないので...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...「どんな人だったの……」母親の顔が今までに一度もないくらい優しい...
夢野久作 「継子」
...両親の言葉に反(そむ)いた事が生れて一度もないばかりでなく...
夢野久作 「霊感!」
...引つ越し先の家を自分で見て決めたことは一度もない...
吉川英治 「折々の記」
...それを高瀬氏のせいであるなどと怨みがましい事を洩らした例しは一度もない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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