...「絹川雪子は犯罪の行われた日は一度も外出しなかった筈だ...
江戸川乱歩 「鬼」
...赤井君は、たった一つのドアの外に立っていて、一度も、動かなかったのです...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...私が來てから甞て一度もさう言ふ大雨は降つたことがありません...
江南文三 「佐渡が島から」
...あの銅像のやうにバタ臭い先生の態度を一度も見たことがなかつた...
辰野隆 「浜尾新先生」
...病人は一度も眼鏡を掛けたことがなかった...
谷崎潤一郎 「鍵」
...正月らしい気持ちのしたことはついぞ一度もなかったのに...
近松秋江 「うつり香」
...実はまだ一度もそのチューインガムなるものを口に入れたことがないのである...
寺田寅彦 「チューインガム」
...歯の浮くようなことを一度も誓い合ったことがない...
豊島与志雄 「憑きもの」
...夫人にはたとい夫があり子供があったとしてもまだ一度も愛の満足を得ていなかったという意味で...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...ただの一度も晴れた日に逢わない...
久生十蘭 「海難記」
...泥坊なんてまだ一度もしたことはありましねえだと答える...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一度も会っていないことは確からしいのだ...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...これまでだって唯の一度も...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...姉さんは毎日忙しくて外へなど未だ一度も出たことがありませんので...
室生犀星 「幼年時代」
...それに工員との交渉はすっかりわたし任せにして一度も直接ぶつからなかったので...
森下雨村 「五階の窓」
...上京以来ただの一度もなく...
山之口貘 「私の青年時代」
...今までに一度も例がないんだからね……問題は明日(あす)の芝居なんだが」「呉羽さんは今晩一晩でウント売上げようと思っていらっしゃるんじゃないの...
夢野久作 「二重心臓」
...私は父親から愛情を現わす言葉などを一度も聞いたことはない...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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