...珍しい金冬心(きんとうしん)が一幅あつた...
芥川龍之介 「支那の画」
...「一幅淞波(いっぷくのしょうは)誰剪取(たれかせんしゅせん)春潮痕(しゅんちょうのあとは)似嫁時衣(にたりかじのい)」とうたった詩人石(せきたい)翁をしてあの臼(うす)を連ねたような石がきを見せしめたら...
芥川龍之介 「松江印象記」
...その片々は一幅の大畫圖となりて我前に横はれり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...今でもはっきりとまるで一幅の絵のように何十年か前の京都の街々のすがたを思い浮べて一人楽しんでいる時がないでもありません...
上村松園 「京の夏景色」
...恐らく微妙な一幅の絵画で...
上村松園 「山の湯の旅」
...さながら一幅の墨画の如し...
大町桂月 「月譜」
...宛然一幅の南洋土蠻行列の圖也...
大町桂月 「白河の七日」
...天明に入(い)るや風俗画の背景既に純然たる一幅の好山水(こうさんすい)をなせるものあるに至れり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...又妓楼全体の生活が渾然として一幅の風俗画をなしてゐるからである...
永井荷風 「里の今昔」
...下宿料の十円や十五円は懸物(かけもの)を一幅(ぷく)売りゃ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...その交錯はあたかも一幅天日を覆(おお)うの大ゴブラン織の如き壮観を呈したのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...――心殘りの一幅は上野の寺内にあつて見れば力及ばない」「――」「あとに氣に掛るのは娘比奈の身の上と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最後の仕上げを施した一幅の絵が出来あがったのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...皿はこれ迄になく魅力と抑揚に富んだ一幅の陶器の額のように見えた...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...もつと進んで考へると此の交契の奥深くに吾らの祖先が一幅を圧して坐つてゐたことも思はれるのである...
室生犀星 「冬の庭」
...玄道の短冊を一幅に装(よそほ)ひ成したことがある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...床(とこ)に一幅(ぷく)の軸(じく)がかかっていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一幅の布地になって机から離れてゆくことは...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索