...一天の疎(まばら)な星の光を時々曇らせているばかりであった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...忽ち一天に瀰漫して...
大町桂月 「八鹽のいでゆ」
...十月二十五日発奉天赴(ほうてんにおもむく)長春汽車中作万里平原南満洲(ばんりのへいげんみなみまんしゅう)風光潤遠一天秋(ふうこうじゅんえんいってんのあき)当年戦跡留余憤(とうねんのせんせきよふんをとどむ)更使行人牽暗愁(こうしこうじんあんしゅうをひく)「日露の親和がこの汽車中にはじまり...
谷譲次 「踊る地平線」
...とても好いお天気、すこし風はあるが、一天雲なしで、青空の澄んだ深い色は何ともいへないうつくしさである...
種田山頭火 「其中日記」
...すなわちこの日本の面積平均三百分の一なる八十余方里をもってその一世界一天地とせざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...二一天作の五のように...
直木三十五 「南国太平記」
...白煙の中(うち)に包まれたるに似たり故に一天(てん)拭(ぬぐ)うが如く快晴なるも...
野中到 「寒中滞岳記」
...きょうは一天晴れ渡りて滝の水朝日にきらつくに鶺鴒(せきれい)の小岩づたいに飛ありくは逃ぐるにやあらん...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...これしきの一天下を覆がへすになんの手間隙と云ふ意気込にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...一天かき曇っています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...天一天上(てんいちてんじょう)のよき日をえらんだのも...
室生犀星 「姫たちばな」
...(自注、会所謂蒙古風横巻沙塵、一天暗澹...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一天かきくもらして雪が降りしきる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...一天晦瞑(てんかいめい)...
吉川英治 「三国志」
...朝まだほの暗い一天にただならぬ鼓(つづみ)や喊(とき)の声(こえ)を聞いて...
吉川英治 「新書太閤記」
...当日の天候は「賤嶽合戦記」にも、――四月二十一日、辰(タツ)ノ下刻(ゲコク)ノ事ナルニ、一天曇リナク、照リニ照リタル空ナレバ、手負(テオヒ)共、日ニ照リツケラレ、イト苦シガリケリ...
吉川英治 「新書太閤記」
...だれを一天の至尊(しそん)と仰ぐか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...九月十七日の今夜は、一天、雲もないし、仰ぐと、人間を睨(にら)まえているような恐い月であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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