...一天の疎(まばら)な星の光を時々曇らせているばかりであった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...わたしは一天万乗(いってんばんじょう)の君でも容赦(ようしゃ)しない使なのです...
芥川龍之介 「二人小町」
...一天万乗(いってんばんじょう)の君まします帝都東京をはじめ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...人を馬鹿にしたように一天は青く晴れわたり頭上には桃色の夕焼雲が美しく輝きはじめた...
海野十三 「雷」
...――小春日和のうらゝかさ、一天雲なし、気分ほがらか...
種田山頭火 「其中日記」
...一天井の高い、ガランとした田舎家(いなかや)の、大きな炉の傍(はた)に、寂然(じゃくねん)として座を占めているのが弁信法師であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...我々は唯もう渋い一天張りの国民のやうな気もするが...
中原中也 「海の詩」
...祖母を愛するのは御無理御尤(ごむりごもっとも)一天張(てんば)りである...
新渡戸稲造 「真の愛国心」
...白煙の中(うち)に包まれたるに似たり故に一天(てん)拭(ぬぐ)うが如く快晴なるも...
野中到 「寒中滞岳記」
...一天斎驚倒師」と大きく朱で書いてある橄欖(オリーブ)と橙(オレンジ)のリボンで飾られた写真姿を見たとき...
正岡容 「寄席」
...今の美髯の支配人とそっくりそのまま一天斎驚倒先生の写真が...
正岡容 「寄席」
...きょうは一天晴れ渡りて滝の水朝日にきらつくに鶺鴒(せきれい)の小岩づたいに飛ありくは逃ぐるにやあらん...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...一天神来りて彼は七日前に死んだと告ぐ...
南方熊楠 「十二支考」
...一天四海、盆業渡世にねえ作法だ、ねえのを承知でお騒がせしましたこのおいら、逃げも隠れもするこっちゃござんせんと言いてえが、今夜のところあ逃がしてもらいてえのだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...(美術世界の題言)ハルトマンが個物の能く一天地をなして...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...一天の大君の御悩(おんなや)みであることはまたいうまでもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...一天晦冥(いってんかいめい)まったく人界から見えなくなる数日もある...
吉川英治 「新書太閤記」
...飛ぶ雲すらない一天に...
吉川英治 「新書太閤記」
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