...その時私は全く一塊の物質に過ぎない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...自分の肢体の一部と一塊の土壌とから最初の人間を造り上げた...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...同時に一塊(いっかい)の蛇肉を抓(つま)む...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...風などの為に一塊(ひとかたま)り枝(えだ)よりおちしが山の聳(そびえ)に随(したが)ひて転(まろ)び下(くだ)り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...一塊の石にも、億年の姿がこもり、或は壮大な光りが映る...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...低い雲が風に運ばれ一塊(ひとかたま)りとなって重々しく動いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...叢の中に埋もれてる一塊の石ころに過ぎない...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...例のちゃんちゃん姿の三介(さんすけ)が砕けよと一塊(ひとかたま)りの石炭を竈(かまど)の中に投げ入れるのが見えた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...それはさながら一塊(くわい)の肉泥になつて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一塊の土塚、暗き竹藪の影にふるへて、冬の日の天日暗く、無頼の悲しき生涯を忍ぶに耐へたり...
萩原朔太郎 「氷島」
...彼は何気なく一塊りの動く群に眼を振向けてみた...
原民喜 「火の唇」
...そして隠しからパンを一切と、腸詰を一塊と、古い薬瓶に入れた葡萄酒とを取出して、晩食をしはじめた...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...私はふとその道傍に雪をかぶって一塊りに塊っている枯藪(かれやぶ)の上に...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...最初のうちはただ雪明りにうっすらと明るんだまま一塊りになってしか見えずにいたが...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...土一塊牡丹生けたるその下に...
正岡子規 「病牀六尺」
...そこで枯髏一塊の下三字を求めたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...松明の一塊が火串(ほぐし)の藤蔓(ふじかずら)を焼き切って...
横光利一 「日輪」
...さながら一塊(かい)の焔のように見える...
吉川英治 「上杉謙信」
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