...彼の目は一塊(いっかい)の炭火(すみび)のように不断の熱を孕(はら)んでいる...
芥川龍之介 「或恋愛小説」
...僕はやはり妙義山に一塊の根生姜を感じるのをより新しいとしなければならぬ...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...その時私は全く一塊の物質に過ぎない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...突然吹きちぎられた濃霧の一塊(ひとかたまり)が彼れを包んだ...
有島武郎 「潮霧」
...自分の肢体の一部と一塊の土壌とから最初の人間を造り上げた...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...ペチカに一塊の石炭も入っていないで...
海野十三 「地軸作戦」
...この蟒に一塊(いっかい)ずつ喰べさせれば...
海野十三 「爬虫館事件」
...一塊になっている...
太宰治 「女の決闘」
...雨後らしく思ひ出は一塊(いつくわい)となつて風と肩を組み...
中原中也 「在りし日の歌」
...中国山脈も湾口に臨む一塊の都市も薄紫の朧である...
原民喜 「壊滅の序曲」
...古びた十字架が一塊り林立してゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...向うから一塊りになつてぞろぞろやつてくる...
堀辰雄 「葉櫻日記」
...椽側の隅に古く土に汚れた書籍が一塊りになつてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...唯不気味な息づかひの荒々しさが一塊となつて...
牧野信一 「鬼涙村」
...親子のものの遠慮して這入口に一塊(ひとかたまり)になっているのを見て...
森鴎外 「雁」
...おそるべき青年たちの一塊をさし覗(のぞ)いて...
横光利一 「微笑」
...一塊りとなって流れて来るタクシを待った...
横光利一 「旅愁」
...すぐその一塊(ひとかたま)りの人影を急(せ)き立(た)てたが...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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