...ここに一塊の火薬が...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...そしてその道を行くのだ運と時と変(かわり)とにさよならを言うときまで(メリイ炉から泥炭の一塊を取り戸口から外に出る...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「心のゆくところ(一幕)」
...岡の上から見た所は赤色の一塊であった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...だが ときをりは嘗て見た何かの外套(マントオ)のやうな巨大な闊葉の披針形が月光のやうに私の心臓に射し入つてゐたこともあつたが……恥らひを知らぬ日(にち)々の燥宴のさなかにある日(呪はれた日)私の暴戻な肉体は大森林の暗黒の赤道を航過した!盲ひたる 酔ひしれたる一塊の肉 私の存在は何ごともなかつたものゝやうにやはり得々と 弾力に満ちてさまざまの樹幹の膚の畏怖の中を軽々と摺り抜けて進んでは行つたが...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...一塊の練炭が音もなく燃えつきてゆく炉の赤い輝きに眼をすえながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ただ醜悪な一塊の肉体に過ぎない...
豊島与志雄 「田園の幻」
...かの形を成さない一塊の焼残(やけのこり)が四人の立っている鼻の下へ出て来た...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...胸を押へてクワツと吐いたのは一塊(ひとかたまり)の血潮です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのままガラガラガラと一塊の石っころのように...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...私は学徒の一塊と出逢った...
原民喜 「夏の花」
...海岸には漁夫らしい男が一塊居た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...南から一塊(ひとかたま)りになつてやつて來て...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ちやうど一塊りのぼろぎれを乗せてあるやうにしか見えない...
北條民雄 「重病室日誌」
...「ボヴァリイ夫人」が傑作であるのは、即ちその作品が、その作家から切り離された全體として、世界として、一塊となり、位置してゐるからである...
堀辰雄 「小説のことなど」
...そこにまだ一塊り殘つてゐたゴルフ服の人達を乘せて...
堀辰雄 「萩の花」
...氷屋だのの看板を出した掘立小屋が一塊りに立っている...
堀辰雄 「晩夏」
...その鯨の真上ばかりに一塊(いっかい)の雲ある処を描き出だして...
正岡子規 「人々に答ふ」
...遠山の雪のひっ切れた藻掻(もが)き苦しむ純白の一塊に見えて...
横光利一 「夜の靴」
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