...考えることもしない一塊りの肉にほかならないと思うのは...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...其の県と地球全体とを比較すれば広い畑と其の中の一塊の土塊(つちくれ)のやうなものだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...彼等は同時に一塊の鰻を挟む...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...この嚢(ふくろ)の中に貯えられてある財産がときどき一塊ずつ食道を逆行して...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...ただ一塊りの大きな岩山を切り刻んで出来たものである...
寺田寅彦 「異郷」
...だが ときをりは嘗て見た何かの外套(マントオ)のやうな巨大な闊葉の披針形が月光のやうに私の心臓に射し入つてゐたこともあつたが……恥らひを知らぬ日(にち)々の燥宴のさなかにある日(呪はれた日)私の暴戻な肉体は大森林の暗黒の赤道を航過した!盲ひたる 酔ひしれたる一塊の肉 私の存在は何ごともなかつたものゝやうにやはり得々と 弾力に満ちてさまざまの樹幹の膚の畏怖の中を軽々と摺り抜けて進んでは行つたが...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...細菌教室はたちまち一塊の火となった...
永井隆 「長崎の鐘」
...また帶電微子の一塊である...
長岡半太郎 「アインシュタイン博士のこと」
...すべてこれ々(えんえん)たる一塊(いっかい)の瓦斯に過ぎないという結論になる...
夏目漱石 「思い出す事など」
...すなわち我以外に一塊の動かすべからざる石と名づくるものが存在していると見傚(みな)すからではありますまいか...
夏目漱石 「創作家の態度」
...一塊の血泥になった稲富喜三郎の死骸...
野村胡堂 「江戸の火術」
...一塊(いっかい)の土のごとく落ちて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二十人も一塊りになって...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...僕の眼の前には再び仄暗い一塊りの別の地球が浮んでくる...
原民喜 「心願の国」
...今は一塊の影のやうに見える森から建物(たてもの)をしろ/″\と鮮やかに浮き上らせてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...一塊の人骨を掘り出したが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...「一塊の土」「大導寺信輔の半生」「點鬼簿」「玄鶴山房」「河童」を經て「齒車」に至るまでの時期(大正十二年―昭和二年)である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...向うから一塊りになつてぞろぞろやつてくる...
堀辰雄 「葉櫻日記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??