...如何にも妙義山は一塊の根生姜にそつくりであることを発見した...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...ペチカに一塊の石炭も入っていないで...
海野十三 「地軸作戦」
...一片の落花を描き、一本の団扇(うちわ)を描き、一茎の芒(すすき)を描き、一塊の雪を描き、唯片々たる叙写のように見えていて、それは宇宙の現象を描いたことになる所に俳句の力はある...
高浜虚子 「俳句への道」
...どうしてもごまかし切れぬ一塊の黒雲のような不安が胸の奥底にこびりついていて離れないのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...ピラミッドは一塊石ではありません...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...与えられた一塊の鉱物を鑑定する場合にも一定の既知の公式がある...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...つまりは一塊の石に過ぎないだろう...
豊島与志雄 「非情の愛」
...その一塊の石に、彼等はやはり祈念を凝らすだろう...
豊島与志雄 「非情の愛」
...一群集は容易に一塊となって服従する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...階段の下で一塊になって「もう...
直木三十五 「南国太平記」
...一塊(ひとかたま)りの堅牢体で...
夏目漱石 「創作家の態度」
...ちやうど一塊りのぼろぎれを乗せてあるやうにしか見えない...
北條民雄 「重病室日誌」
...まるで葡萄(ぶどう)の房(ふさ)みたいに一塊(ひとかたま)りに...
堀辰雄 「旅の絵」
...松明の一塊が火串(ほぐし)の藤蔓(ふじかずら)を焼き切って...
横光利一 「日輪」
...遠山の雪のひっ切れた藻掻(もが)き苦しむ純白の一塊に見えて...
横光利一 「夜の靴」
...彼の眼にはもう一塊(いっかい)の土くれに過ぎない...
吉川英治 「私本太平記」
...投げられた任原はクシャッと一塊の肉と血飛沫(ちしぶき)になったきりで動きもしない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...プーンと立登って来るフォルマリンの匂いを嗅ぎながら注意深く吐落した一塊りの痰を観察すると...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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