...時によると香の物の一切れぐらいおちたままになっていることも珍らしくない...
相馬泰三 「六月」
...・近道の近道があるをみなへし・こゝから下りとなる石仏・山の朝風の木が折れてゐる・ほんにうまい水がある注連張つてある・どうやら道をまちがへたらしい牛の糞・住めば住まれる筧の水はあふれる近道近かつた石地蔵尊うらは蓮田で若いめをとで・はだかではだかの子にたたかれてゐる・波音のガソリンタンクの夕日・一切れ一銭といふ水瓜したたる八月十日朝の山を眺めながら朝酒を味はつた...
種田山頭火 「行乞記」
...」順一はまた一切れつまみあげて...
豊島与志雄 「自由人」
...ふたりにパンを一切れずつ差し出した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それぞれ一杯のワインと一切れのまるまる太ったガチョウの焼き肉を振る舞われました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...一切れの寿司をつまんで運んで来た男に云つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...最後の一切れを椀の中へ残して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...きんは薄く切ったチーズの一切れを火にくべた...
林芙美子 「晩菊」
...ミルクのなかには白パンの小さな一切れが浮かんでいた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...まんまと切り取ったらしい蝶鮫の乾物を一切れ持っていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...羊の胃袋へ蕎麦の粥や脳味噌や足の肉を詰めたニャーニャという料理の大きな一切れを取った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その一切れ一切れが寄りあつまつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...水一杯と一切れの燕麥の菓子...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そらいちめんに青白いうろこ雲が浮かび月はその一切れに入って鈍い虹を掲げる...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...(卓上のチーズの一切れを取ってくめ八の口に入れてやる)三芳 ……『私どもをしてかかる力強い自覚に導いてくださった諸先輩...
三好十郎 「猿の図」
...二三度反した肉の一切れを口に入れた...
森鴎外 「牛鍋」
...子供の皿の上の一切れの肉をこつそり自分の皿の上に運んだ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「祭日」
...卓(つくえ)の上の堅パンを一切れ取った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
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