...一切れ呉(く)れてやるよ」怪しき盗聴者「泥まみれのパイなんか...
海野十三 「○○獣」
...ただそれには男子の胸の肉を一切れ用いて薬を調合しなくてはならなかった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...・近道の近道があるをみなへし・こゝから下りとなる石仏・山の朝風の木が折れてゐる・ほんにうまい水がある注連張つてある・どうやら道をまちがへたらしい牛の糞・住めば住まれる筧の水はあふれる近道近かつた石地蔵尊うらは蓮田で若いめをとで・はだかではだかの子にたたかれてゐる・波音のガソリンタンクの夕日・一切れ一銭といふ水瓜したたる八月十日朝の山を眺めながら朝酒を味はつた...
種田山頭火 「行乞記」
...鯖(さば)の血合(ちあい)の一切れでもやるとそれをくわえるが早いか...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...天ぷらの一切れを口に入れた...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...一切れ頬張ると、また箸をつきだして、鍋の中の生煮えの一切れを押える...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...最後の一切れまで彼に平げられてしまう...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...煮魚を一切れくらいでしょうか」「そうでしょう...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...小麦を蒸した切餅を一切れに鯨の脂身のようなものを添え...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...食事は玉菜汁(シチイ)と敲いた牛肉一切れだけで済ますことにした……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その一切れ一切れが寄りあつまつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...水一杯と一切れの燕麥の菓子...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「一切れ丸ごとは食べられんな」そう言って彼は...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...(卓上のチーズの一切れを取ってくめ八の口に入れてやる)三芳 ……『私どもをしてかかる力強い自覚に導いてくださった諸先輩...
三好十郎 「猿の図」
...子供の皿の上の一切れの肉をこつそり自分の皿の上に運んだ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「祭日」
...その一切れずつが皆生きかえって...
柳田國男 「日本の伝説」
...ひそかに一切れの肉を貰い受けて...
柳田国男 「雪国の春」
...ペローがそつぽを向いているひまにベイコンを一切れうまく盗むのを見ると...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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