...そうめんを茹でる時に、分一入れることで麺がきれいに茹であがる...
...一入(ひとしほ)よろしかつたさうでございます...
芥川龍之介 「地獄変」
...振り向きもせずに一入(ひとしお)うなだれてしまったが...
有島武郎 「或る女」
...熱い飲物が一入うれしく感じられます...
石川欣一 「山を思う」
...一入(ひとしお)故人の労を偲(しの)ばざるを得なかった...
伊波普猷 「「古琉球」改版に際して」
...海中は潜水艦が五隻も繰出されて一入(ひとしお)...
海野十三 「地球発狂事件」
...一入(ひとしお)女振を上げて見せて...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...一入(ひとしお)目立って光るのであった...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...そうした思し召しが一入(ひとしお)お深いと洩(も)れ承りまする先帝(明治天皇の御事)には...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...殊に其の男が鬼になった時の騒々しさ賑やかさは一入(ひとしお)で...
谷崎潤一郎 「幇間」
...それなり世間は一入(ひとしお)ひっそり盛夏の炎暑に静まり返った或(ある)日の暮近くである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...今日は一入(ひとしお)変である...
夏目漱石 「虞美人草」
...美しさは反(かへ)つて一入(ひとしほ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物凄さもまた一入(ひとしほ)です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其(をい)を時々洗濯し取替用ゆれば一入よし...
福澤諭吉 「養生の心得」
...一入ものがみえないけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かかる古き染附の皿にはうるしのごとく寂しく凝固(かたま)りたる底(そこ)見え日ぐれごろ象のかげ長からずちぢまり一入悲しげに見ゆ...
室生犀星 「忘春詩集」
...私たちを一入(ひとしお)この島の人たちや風物に近づけました...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...鷲盗(わしぬす)み一入口も窓(まど)も閉めきってあるので...
吉川英治 「神州天馬侠」
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