...そうめんを茹でる時に、分一入れることで麺がきれいに茹であがる...
...岡の肩は感激のために一入(ひとしお)震えた...
有島武郎 「或る女」
...そこを出て来る時にはただ一入(ひとしお)の心のむなしさが残るばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...一入(ひとしお)日本民族に近い親類否(いな)純粋なる大和民族という事になる...
伊波普猷 「土塊石片録」
...近頃一入感じている次第でございます...
上村松園 「昔尊く」
...男の好奇心は一入(ひとしお)激しくなりまさった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...丸い光の中の女性は、一入悲しげな、絶望の表情になって、なおもかき口説く...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...第一入れる場所からして無い...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...再び見る江戸否東京であるから一入(ひとしお)勇ましく旅行したが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...一入(ひとしお)心憎く川風に飜(ひるがえ)っているのである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...おしろいの花も蕎麥屋が植ゑてそれが段々に殖ゑてこんなに茂つたのだと思ふと一入感じがよくなる...
長塚節 「須磨明石」
...生れてすぐ母親に死に別れただけに不愍(ふびん)も一入(ひとしお)だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物凄さもまた一入(ひとしお)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そういう時には一入(ひとしお)実感を出すために彼は眼を細く閉じさえしたものだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...日本の國に居るよりも外に出て居る其人達の身には一入強く感ずるものである...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...寄道(よりみち)したお蔭にこの悪い道を歩かせられしため暑さも一入(ひとしお)なり...
森鴎外 「そめちがへ」
...それにこの鳥越の竹細工には黒染の竹を用いて線を入れたりしますので一入(ひとしお)美しさを添えます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...鷲盗(わしぬす)み一入口も窓(まど)も閉めきってあるので...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一入(ひとしお)可憐(いじら)しく見せていた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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