...そうめんを茹でる時に、分一入れることで麺がきれいに茹であがる...
...振り向きもせずに一入(ひとしお)うなだれてしまったが...
有島武郎 「或る女」
...五彩の露は一入(ひとしお)である...
泉鏡花 「婦系図」
...一入(ひとしお)懐かしいものがあった...
上村松園 「京のその頃」
...全国民をまた一入(ひとしお)感激させたのであった...
海野十三 「東京要塞」
...丸い光の中の女性は、一入悲しげな、絶望の表情になって、なおもかき口説く...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...哀切一入(ひとしお)深きものがある...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...そこから見ると双子山が一入雄偉な容姿に見え上双子と下双子とが須雲川の深い溪谷にまで長く裾を曳いてゐるのも何となく壯大な感を起さしめる...
近松秋江 「箱根の山々」
...殊に仕事を終った後の晩酌は、一入楽しい...
外村繁 「日を愛しむ」
...朝な夕なの肌寒さも一入(ひとしお)深く身に浸(し)む七月の半(なかば)過ぎ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...凄まじさも一入(ひとしお)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...我々をして洵に一入淋しさを感ぜしめる...
濱田耕作 「シュリーマン夫人を憶ふ」
...一入(ひとしお)美味しく思われたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そういう時には一入(ひとしお)実感を出すために彼は眼を細く閉じさえしたものだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...大原は心に期する事ありて一入(ひとしお)嬉しく...
村井弦斎 「食道楽」
...置物の工合なんど高雅に見えて一入(ひとしお)の趣きあるは書生上りの中川が嗜(たしなみ)に非(あら)ず...
村井弦斎 「食道楽」
...かかる古き染附の皿にはうるしのごとく寂しく凝固(かたま)りたる底(そこ)見え日ぐれごろ象のかげ長からずちぢまり一入悲しげに見ゆ...
室生犀星 「忘春詩集」
...一入情愛をそゝる...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...鷲盗(わしぬす)み一入口も窓(まど)も閉めきってあるので...
吉川英治 「神州天馬侠」
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