...一先ずペンを止(とど)める事にしようと思う...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...一先ず事務所へ引上げた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...九)俳話小話(三)一先ず季題一々の性質をよく吟味することである...
高浜虚子 「俳句への道」
...彫刻家はそういうものを一先ず取り去る...
高村光太郎 「触覚の世界」
...すると夫は一先ず私の言葉を素直にうけ...
壺井栄 「一つ身の着物」
...これで一先ず内地に帰ってくれ』と云って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一先ず通りすぎた...
豊島与志雄 「椎の木」
...一先ず凡ての事が済むと...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...経済界が一先ず安定してくるに従い...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...一先ず作者はこれを『石狩川』の初編として上梓(じょうし)し...
本庄陸男 「石狩川」
...一先ず町の宿屋へ帰りました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...この手紙は一先ずこれで終り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの羽織紐いい色でしょう? では一先ずこれで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...昨日(きのう)の朝の西南風(にしばえ)なら一先ず六連沖(むつれおき)へ出て...
夢野久作 「爆弾太平記」
...この事件を一先ず内部的なものに局限(きょくげん)して済ませたいと...
吉川英治 「黒田如水」
...――そして岡山の宇喜多直家(うきたなおいえ)と聯絡をとられ、児島地方に砦(とりで)をかためて、一先ずは、毛利の大軍をそこに喰いとめておかれよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、最後の日に、盟約が結ばれて、内蔵助の口から、はじめて、『開城』と云う底意が打ち明けられ、『――後図(こうと)のことは、一先ず、此方(このほう)の存意におまかせ下さるまいか』となって、それを誓文の一行に書き加えて承諾(しょうだく)してある以上は、今捨てない生命も、決して永い間というわけでないことは分っている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「きょうは一先ずお引取あって...
吉川英治 「源頼朝」
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