...一体に僕と何等かの交渉があった米国の兵隊は...
石川欣一 「比島投降記」
...一体によく整っていて...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...*この頃はノミと蚊と南京虫とが三位一体になって攻め寄せるので...
大杉栄 「獄中消息」
...何んでも一体に景気の沸き立って見えるように趣向をする...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「一体になろうとする特殊な性的愛」のその「性的愛」という言葉である...
太宰治 「チャンス」
...カメラと焼付けも一体になかなか鮮明で美しいと思われたが...
寺田寅彦 「映画雑感(5[#「5」はローマ数字、1-13-25])」
...その辺が一体に明るくなるような気のすることがある...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...そのくせ世間が一体に妙にしんとして静かに眠っているようにも思われる...
寺田寅彦 「夕凪と夕風」
...其辺一体に居留地の色彩が漂つてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...一体に頭も四本の脚も大きく...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...一体に頼一家の学者詩人は...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...何ぢやありませんか、一体に、斯う、現代的の不安が出(で)てゐる様ぢやありませんか」「さうして、肉の臭(にほ)ひがしやしないか」「しますな...
夏目漱石 「それから」
...無論一体に疵(きず)だらけで処々(ところどころ)鉛筆の落書の痕(あと)を留(とど)めて...
二葉亭四迷 「平凡」
...一体に受けなくなっちまった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...一体に遠慮深い私自身を凡そ自由気儘に...
牧野信一 「断想的に」
...一体に自ら己れを誇る者の多くは...
牧野信一 「ビルヂングと月」
...いくら二十にはなって居ても母親のそばで猫可愛がりにされつけて居たお君には、晦日におてっぱらいになるきっちりの金を、巧(うま)くやりくって行くだけの腕もなかったし、一体に、おぼこじみた女なので長い間、貧乏に馴れて、財布の外から中の金高を察しるほど金銭にさとくなって居るお金の目には、何かにつけて、はがゆい事ばかりがうつった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...仏と一体になれるか...
吉川英治 「親鸞」
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