...一体に私は、故国を離れてから、他との比較によつて益々祖国に対する自信の篤くなることを感じて来た...
阿部次郎 「帰来」
...一体によく整っていて...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...一体に活動写真が好きだ...
薄田泣菫 「茶話」
...愛する異性と一体になろうとする特殊な性的愛...
太宰治 「チャンス」
...いずこにおいても隅田川の両岸に対するよりも一体にまとまった感興を起させる...
永井荷風 「日和下駄」
...一体に楽天的で、屈託のないこの地方の百姓たちは、根も葉もない好色な噂話を、いかにもほんとうらしく、開け放してしゃべるのが好きなのである...
中村地平 「南方郵信」
...一列一体に筆誅(ひっちゅう)して貰いたいと云う意味だ」平岡はこの時邪気のある笑い方をした...
夏目漱石 「それから」
...そして一体に、こうした言語が正解されず、ひどくでたらめの語義に濫用されてる...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...一体に無口な性質なので...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...一体にやたらに変装して神出奇没するのは不自然な感じを与えて私などの年輩の読者には興味が余程そがれる...
平林初之輔 「私の要求する探偵小説」
...一体にだらだらして...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...食慾も一体に低下します...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...海面が一体にピカピカ光った...
武者金吉 「地震なまず」
...一体に明るい性分ではあるけれども...
矢田津世子 「女心拾遺」
...日本の役所は一体に無用な記録が好きで...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そこに集合していた人間は、一列一体に、渋色の巻頭巾、わらじ脚絆、「めざまし草」の箱胴乱をかけた姿で、みなこれ、同業同色のたばこ売りでありましたから、九兵衛もいささか驚いて、いつのまに、こんな出店がふえたろうかと呆れている...
吉川英治 「江戸三国志」
...理心二つを一体に磨いていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...一体に源家の人々は...
吉川英治 「源頼朝」
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