...ほんの一伸(ひとの)びだ...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...陣地に着いても四、五日ほどは、疲労しきっていて物の用に立ちますまい」「――が、いずれ敵は、長陣を覚悟のうえで、十重二十重(とえはたえ)にこの城をとり巻こう」「ですから、その用意の調わぬうち――また長途のつかれも癒(い)えぬうちに――それがしが部下の猛卒をひッさげて奇襲を行い、まず敵の出鼻に、大打撃を加え、しかるのち下城(かひじょう)の関羽と掎角(きかく)の形をとって、一縮一伸、呼応して敵に変化のいとまなからしめる時は、彼の大軍は、かえって、彼の弱点となり、やがて破綻(はたん)を来たすことは明らかではありませんか」張飛の言を聞いているとまったく陽気になってくる...
吉川英治 「三国志」
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