...自分は日本でも屈指な豪商の身内に一人子(ひとりご)と生まれながら...
有島武郎 「或る女」
...したがって小さい時から孤独で(父はその上一人子であった)ひとりで立っていかなければならなかったのと...
有島武郎 「私の父と母」
...二人の間には一人子供までできました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...ほんとうのところは親一人子一人のたよりない方々でござりましたから...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...隣室に支那人三連(マヽ)れ(昨夜は私一人だつた)大人一人子供二人の...
種田山頭火 「行乞記」
...水入らずの親一人子一人の暮しを...
田山録弥 「くづれた土手」
...それはこのずつと奥の方に住んでゐる農家の一人子息で...
田山録弥 「くづれた土手」
...「ほんまの親一人子ひとりの頼(たよ)りない身どすさかい...
近松秋江 「黒髪」
...神様に召された一人子を思って泣いている母親じゃったのじゃが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...も一人子供を産んでくれて...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...一人子の病み出したのを気にして枕許(まくらもと)につききり...
中里介山 「大菩薩峠」
...隨分資産もあるしそれに一人子の娘が非常にいゝのだが行く氣はないかと其館野から勸められた...
長塚節 「開業醫」
...あなたの愛しい一人子は...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...彼女の下に一人子が息づまりつつ横たわっている時に...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...父と僕とは親一人子一人の二人きりの肉親で...
三好十郎 「肌の匂い」
...ハハハハホホホホホ……私の実父の柳仙は旧弊な人間で御座いましたので、老人の一人子は、その子供の性を反対に取扱って育てますと……女の児(こ)は男の児(こ)の通りに……又男の児(こ)は女の児(こ)の通りにして育てますと、無事に成長させる事が出来る……とよくソンナ事を申します迷信から、わざわざ私を女の児(こ)という事にして三枝という名前を附けて役場に届けまして、それから何もかも女の児(こ)として育てられながら、だんだんと大きくなってまいりますうちに、私自身でも、自分が男だか、女だかわからない位、声から姿までも……心までも女らしくなってしまったので御座います...
夢野久作 「二重心臓」
...自分は一人子(ひとりご)の女(むすめ)よりも他人の子の方を遥(はるか)に遥に可愛く思ふ事...
與謝野晶子 「帰つてから」
...あのお方も親一人子一人のようなものですからね」「それに...
吉川英治 「私本太平記」
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