...槐(ゑんじゆ)と云ふ樹の名前を覚えたのは「石の枕」と云ふ一中節(いつちうぶし)の浄瑠璃(じやうるり)を聞いた時だつたであらう...
芥川龍之介 「槐」
...僕は勿論一中節などを稽古するほど通人(つうじん)ではない...
芥川龍之介 「槐」
...本所(ほんじよ)横網町(よこあみちやう)に住める一中節(いつちうぶし)の師匠(ししやう)...
芥川龍之介 「鸚鵡」
...」一中節(いつちうぶし)の師匠(ししやう)になることはとうとうお宗(そう)さんには出来なかつた...
芥川龍之介 「素描三題」
...父には一中節(いっちゅうぶし)...
芥川龍之介 「文学好きの家庭から」
...なにがしといふ一中節の師匠の...
心猿 「九月朔日」
...同じ江戸風と申しても薗八一中節(そのはちいっちゅうぶし)なぞやるには『梅暦(うめごよみ)』の挿絵に見るものよりは少し古風に行きたく春信(はるのぶ)の絵本にあるやうな趣ふさはしきやに存ぜられ候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...老妓ばかりが寄集った一中節(いっちゅうぶし)のさらいの会に...
永井荷風 「銀座」
...久しく薗八一中節(そのはちいっちゅうぶし)の如き古曲をのみ喜び聴いていたわたしは...
永井荷風 「十日の菊」
...一中節(いっちゅうぶし)を習ったり...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...彼女は一中節(いっちゅうぶし)の都の家元から一稲の名をもらっていたので...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...三味線は一中節(いっちゅうぶし)の新人西山吟平(ぎんぺい)...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...さてその夜、私と共に罹災された嘉奈子刀自は、青春を明治三十年代の吉原に起臥された、一中節の名手で、ために近時、静岡の疎開先から寄せられた往時追憶の一文には、「中引けの金棒が揚屋町の角にチヤリン/\と聞えてくる時分になると大門迄お客を送つた妓たちが、仲の町のお茶屋の縁に二人三人と集つてくる...
正岡容 「東京万花鏡」
...合方は一中節を奏する...
森鴎外 「細木香以」
...母がなかまたちと一中節(いっちゅうぶし)をさらうのだと云って...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...一中節の師匠をしていてね...
山本周五郎 「新潮記」
...一中節の稽古所というより...
山本周五郎 「花も刀も」
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