...僕は室生犀星君と一しよにこの芭蕉の近代的趣味(当代の)を一世を風靡(ふうび)した所以(ゆゑん)に数へてゐる...
芥川龍之介 「続芭蕉雑記」
...文壇の天下は紅葉先生が金色夜叉を書出して一世を風靡して居たが同時に鏡花...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...今より十数年前は予約出版の円本が流行して一世を風靡したのである...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...今や一世を風靡している...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...大正十年前後から俄(にわか)に勃興して一世を風靡(ふうび)し...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...一世を風靡(ふうび)したワグナーの影響にも外に立って...
野村胡堂 「楽聖物語」
...その頃一世を風靡したソプラノ歌手で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一世を風靡(ふうび)した美人も少なくはありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人道主義が一世を風靡した時代であつた...
萩原朔太郎 「初めてドストイェフスキイを讀んだ頃」
...如何に彼が一世を風靡(ふうび)したかを知られるのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...彼の学説は既に一世を風靡(ふうび)し...
穂積陳重 「法窓夜話」
...忽ち一世を風靡した...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...やがてラッパの圓太郎と謳われて一世を風靡し...
正岡容 「圓太郎馬車」
...やがて「芸術座」は「復活」を持つて上野の万国博覧会にも出演したり浅草で特別興行したりして、須磨子の歌つた「カチューシャの唄」カチューシャ可愛や別れのつらさ――は、一世を風靡して、我が国流行歌史上に一大エポックを劃するに至つた」と佐藤氏は手記されてゐる...
正岡容 「大正東京錦絵」
...一世を風靡するという有り様となった...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...殆一世を風靡せりきともいふべしといへり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...ついに昭和の今日になって石原慎太郎氏の「太陽の季節」一編に一世を風靡(ふうび)されるなどの珍現象を呈したものか...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...しかもいまや一世を風靡(ふうび)している勝者だ...
吉川英治 「私本太平記」
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