...一つだけ聞きたいことがある...
海野十三 「蠅男」
...「自然」が嚏(くさめ)一つしても...
薄田泣菫 「独楽園」
...かの女は一つの戀愛と言つたやうなものにあくがれた...
田山花袋 「道綱の母」
...一つは三毛でもう一つはきじ毛(げ)であった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...山川家が所有してる工場が一つありました...
豊島与志雄 「乾杯」
...「この刀なんぞもその一つじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つの生命が、自分の生長をして、さらに次の時代の生命を作るという神秘な過程を完了するのに、或る一定の時を要することは、疑う余地のないところである...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...その一つの試みと見られるものは...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...その一つの現われと見られる現象であるかも知れない...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...蓮根(れんこん)の穴の中に辛子(からし)をうんと詰(つ)めて揚(あ)げた天麩羅(てんぷら)を一つ買った...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...皆の前で一つずつ得意そうに説明をする...
堀辰雄 「花を持てる女」
...もう一つ年を取つたんだから間違ひもあるまい...
牧野信一 「周一と空気銃とハーモニカ」
...我々に判断の器具が一つ必要であろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...躯(からだ)じゅう八万八千の毛穴が一つ一つちぢみあがるような気持だとよ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...――合戦の初めに、馬超の軍勢は、潼関(どうかん)に拠(よ)っていましたから、渭水(いすい)の北は遮断された形でした」「ムム」「で当然、河の東を攻めて、お進みかと思いのほか、さはなくて、いたずらに野陣の危険にさらされたり、後また北岸に陣屋を作り、いつになく、戦法に惑いがあるように見えましたが……」「それは、難きを攻めず、易(やす)きを衝(つ)く、兵法の当然を行ったまでだ」「それなら分りますが、今度はその反対のように動いたとしか思われませんでしたが」「その条件を、敵方に作らせるよう、初めには、わざと敵の充実している正面に当ると見せ、敵兵力をことごとく味方の前に充実させておいてから、徐晃、朱霊などの別働隊を以て、敵兵力の薄い河の西からたやすく越えさせたわけじゃ」「なるほど、では丞相の主目的は、むしろ別働隊のほうにあったわけですな」「まず、そんなものか」「後、わが主力は北へ渡り、堤にそって寨(とりで)を構築し、しばしば失敗したあげく、氷の城まで築かれましたが、丞相も初めには、こう早く戦が終ろうとはお思いなさらなかったものでしたか」「いやいや、あれはわざと、味方の弱味を過大に見せ、敵を驕(おご)り誇らせるためと、もう一つは、西涼の兵は悍馬(かんば)の如く気短(きみじか)だから、その鋭角をにぶらすため、ことさらに、悠長と見せて彼を焦立(いらだ)たせたまでのこと」「敵中作敵の計は、疾く前から考えのあったことですか」「戦機は勘(かん)だ...
吉川英治 「三国志」
...たッた一つおじぎをした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一つもいいことはしていない」「じゃあ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...芸術鑑賞と宗教的帰依とが一つであった...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??