...フロックの清水昌一(しみずしょういち)と一しょに...
芥川龍之介 「路上」
...ずたずたに引裂かれたフロックや切られた時計の金鎖などを示すのでありました...
石川三四郎 「浪」
...黒いトップ・ハットに長いフロックコート...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...フロックコオトの御姿で侍従長徳大寺(とくだいじ)公をお伴(つ)れになってお出ましで御座いました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...将校マント、フロック、モウニング、シルクハット、明治四十二年の紳士...
林不忘 「安重根」
...よれよれのフロック...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...老人はフロックの前をすこし開いた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...そのフロックの袖(そで)を覚えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼は片手にフロックを持ち...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...フロックのポケットから落ちた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...フロックを着た品格のある男であった...
夏目漱石 「三四郎」
...フロックはまだ我慢が出来るが白髪(しらが)のチョン髷(まげ)ははなはだ奇観である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...こんなフロックコートなどを着て...
新渡戸稲造 「人格の養成」
...夫人が是非フロックコートを新調するようにすすめたが...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...このフロックではどうにもならない...
久生十蘭 「だいこん」
...自分がそのとき着ていたもののように最新流行型に仕立てた白いカシミヤのモーニング・フロックを着た...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...必ずフロックを着て黒の山高(やまたか)をかむっていた...
室生犀星 「三階の家」
...夫れ物質的の文明は唯物質的の人を生むに足れる而已(のみ)、我三十年間の進歩は実に非常なる進歩に相違なし、欧米人をして後(しり)へに瞠若(だうじやく)たらしむる程の進歩に相違なし、然れども余を以て之を見るに、詮じ来れば是唯物質的の文明に過ぎず、是を以て其文明の生み出せる健児も、残念ながら亦唯物質的の人なる耳(のみ)、色眼鏡を懸け、「シガレット」を薫(くゆ)らし、「フロック、コート」の威儀堂々たる、敬すべきが如し、然れども是れ銅臭紛々たる人に非ずんば、黄金山を夢むるの児なり、其中に於て高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの、即ち晨星(しんせい)も啻(たゞ)ならじ、束髪峨々(がゝ)として緑(りよくさん)額をつゝみ、能(よ)く外国の人と語り、能く「ピアノ」を弾ず、看来れば宛然たる「レディス」なり、然れども其中に存するものは空の空なるのみ、赤間ヶ関の荒村破屋に嘗(かつ)て野「バラ」の如くに天香を放ちし、烈女阿正(オマサ)の如き、義侠深愛、貞節の如き美徳は之を貴き今日の娘子軍に求むべからず、蓋(けだ)し吾人(われら)が之を求め得ざりしは其眼界の狭きが為ならん、而(しか)れども方今の人心は其外界の進歩に殆んど反比例して、其撲茂、忠愛、天真の如き品格を消磨して、唯物質的の快楽を遂ぐるに、汲々(きふ/\)たるは、掩(おほ)はんとして掩ひ得べからざるの事実に非ずや、思ふて此に至る吾人は賈生(カセイ)ならざるも、未だ嘗て之が為に長大息せずんばあらず、古来未だ嘗て亡びざるの国あらず、而して其亡ぶるや未だ嘗て其国民が当初の品格を失墜したるに因(よ)らずんばあらず噫(あゝ)今に及んで百尺竿頭、更に一歩を転ぜずんば、吾人は恐る、「古(むか)し我先人が文明を買ひし価(あたひ)は国を亡(うしな)ふ程に高直なりき」と白皙(はくせき)人種に駆使せられながら我子孫のツブヤカんことを...
山路愛山 「英雄論」
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