...ところが、弁信がいっこう気乗りがしないようでしたから、ピグミーが、また何かハズミをつけてやらないことには、手持無沙汰でたまらないはめとなって、「ねえ、弁信さん、今までお前、何を聞いていたの」「尺八を聞いておりましたよ」「へえ、おいらにはいっこうそんなものは聞えなかったが、どこで、誰が吹いていたんだい」「信濃の国の、白骨の温泉で、尺八を吹いているのが、いま私の耳に聞えました」「じょ、じょうだんじゃねえ!」ピグミーが反(そ)っくり返ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのピグミーでないことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...扱いようによってはピグミーとても...
中里介山 「大菩薩峠」
...そっちへ寄っていろ」ピグミーを振り飛ばすと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーは仔細らしくながめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...竜之助に取合われないものですからピグミーは、少しばかりテレたが、尺とり虫のように身を屈すると見れば、早くも刀の手もとまで飛び込んで、竜之助の柄(つか)を持っている左の手を足場にして、仔細らしく刀身の上をのぞき込み、「ははあ、五(ぐ)の目(め)乱(みだ)れと来ていますね、悪い刀じゃありません、いや、どうして結構なものです、ちょっと、この類の程度はありません――誰ですか、相州の五郎入道正宗ですか」仔細らしく、刃文(はもん)の匂いのところを見渡しているが、なおいっこう返事がないものですから、「違いましたか、五郎入道正宗というところは当りませんか、当らずといえども当り同然のところまでは参りませんか、ただし釣合いはいかがですか、それとも否縁(いやすじ)でございますか」ピグミーは、えっさっさをするような形をして、竜之助の手をゆすってみましたが、やはり返事がないものですから、「まさか時代違いではございますまい、こう見えても、新刀と、古刀ぐらいの差別はわかりますからな――五郎入道正宗でなければ、越中国松倉の住人右馬介(うまのすけ)義弘――というところはいかがです」しきりに返答を迫るが、どうしても手答えがないものだから、ピグミーも、いよいよテレきってしまって、「何とかおっしゃって下さいな、当りでなければ当り同然とか、否(いや)でなければ否縁(いやすじ)とか何とかおっしゃって下さらなければ、張合いがございません、相州の五郎入道でなければ、越中の松倉郷、こんなところはいかがです、やっぱりいけませんか」ピグミーは、竜之助の小手の上で、足拍子を二つ三つ踏みながら、「尤(もっと)も……郷と化け物は見たことがない、と人が言いますからな...
中里介山 「大菩薩峠」
...不意にピグミーが襲いかかって来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここに出没するピグミーは...
中里介山 「大菩薩峠」
...とほくそ笑みしたピグミーは...
中里介山 「大菩薩峠」
...どっちへ廻ってもこのピグミー...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーの身になってみますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーを相手にせず...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーの長所はしつっこいというところにある...
中里介山 「大菩薩峠」
...けだしピグミーの独擅(どくせん)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれだけで引揚げるようなピグミーでは決してない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーのくせに生意気な...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーは逃げようとしても逃げられない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ピグミーが行ってしまった後でも...
中里介山 「大菩薩峠」
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