...草花の鉢を置いたバルコンも見える...
芥川龍之介 「長江游記」
...草色の縁をとつた帆布は日光と微雨とに對してバルコンの上に團欒する大人と子供とを保護する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...バルコンに出て見ると...
石川三四郎 「浪」
...バルコンでお茶を飲むのがせいぜいですが...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...飲んだくれの亭主(ていしゅ)が夜おそく帰って来て戸をたたくと女房のクサンチペがバルコンから壺(つぼ)の中の怪しい液体をぶっかけ...
寺田寅彦 「映画時代」
...西洋でも花瓶(かびん)に花卉(かき)を盛りバルコンにゼラニウムを並べ食堂に常緑樹を置くが...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...かつてツーロンの市庁の露台(バルコン)が修繕さるる時...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...床をモザイク式に張った広間の向うの洋風のダムベル式のバルコンを通して...
中里介山 「大菩薩峠」
...モード氏は此のバルコンに小形の天体望遠鏡を設へつけて...
中谷宇吉郎 「ツーン湖のほとり」
...バルコンの手摺にからみついた赤い薔薇の花も...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...バルコンでお茶と夕食」この日記には世襲制のために天分もなく帝位につき...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...真中(まんなか)に硝子(ガラス)の扉ありてバルコンに出(い)づる口となりおる...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...バルコンよりは木の階段にて庭に降るるようなりおる...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...そっとバルコンに出て行った...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...バルコンの上までがいつもはあんまり見かけたことのない小鳥で一ぱいになる...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...ときおり冷たい風がバルコンの上をなんの音も立てずに掠(かす)め過ぎた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...発止と跳ねて青竹の笹を鳴した……演技に亢奮されて夜のバルコンに忍び出た観客のやうに...
牧野信一 「籔のほとり」
...そこを通りぬけて階段を一つ上った二階のところにバルコンが見えたが...
横光利一 「旅愁」
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