...葉子はいつまでもそのデリケートな横顔を注視(みつめ)つづけた...
有島武郎 「或る女」
...夏目漱石さんはあらゆる方面の感覚にデリケートだったのは事実だろうが...
内田魯庵 「温情の裕かな夏目さん」
...薄明(うすあかり)のデリケートな銀色の月のように...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...角箱には鼻っ張りの強い負けぎらいの気性とオリジナルで鋭いしかもデリケートな才能の動きが地味な褐色の釉薬の底から浮き出しているといったようなところがある...
寺田寅彦 「柿の種」
...非常にデリケートな物理の実験をやって敏感なねじをいじってはめがねをのぞいている学者と全く兄弟分のような気がしておもしろくなって来た...
寺田寅彦 「自画像」
...現在日本の画界における両(ふた)つの分派の作品を対照した時に感ずるあるデリケートな差別の裏面には...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...鼻や小鼻の曲線のあるデリケートな抑揚をつかまえて...
寺田寅彦 「漫画と科学」
...「サトルでデリケートな頭脳と心臓」の外に「癇癪と負けじ魂」とがあった...
中谷宇吉郎 「長岡と寺田」
...寺田さんのサトルでデリケートな頭脳と心臓とが...
中谷宇吉郎 「長岡と寺田」
...怖(こは)いんですもの」十八娘のデリケートな神經は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人ざわりのデリケートなところがあって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二十三年の間、洗濯婦をやり、手のかたちを歪(いびつ)にしていささかの貯えを残し、その貯金のためにランドリュに惨殺された五十一歳のギラン夫人に宛(あ)てた恋文は、「あなたの手は美しく、デリケートで、爪の先までやさしい表情にあふれています」という文句がその書きだしになっている...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...作者の目的とする効果があまりにデリケートにすぎて...
平林初之輔 「探偵小説壇の諸傾向」
...何かそこに一寸かんにふれて来る何かデリケートなものがあってそれを感じとって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...話の一番デリケートな部分を停車中にさせるやうにはめ込む)スミ「そいで...
三好十郎 「おスミの持参金」
...世界一の不良境東京の子女が不良化して行く経路は極めてデリケートである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...デリケートな相手になると直(すぐ)にこれに感じて...
夢野久作 「鼻の表現」
...何といふデリケートな鰭であらう...
吉田絃二郎 「八月の星座」
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