...「僕(ぼく)は岡君と違ってブルジョアの家に生まれなかったものですからデリカシーというような美徳をあまりたくさん持っていないようだから...
有島武郎 「或る女」
...造化のデリカシーにうたれ...
種田山頭火 「其中日記」
...岔君に近代都会人らしいデリカシーがある...
種田山頭火 「其中日記」
...憾むらくは彼にはデリカシーがない...
種田山頭火 「其中日記」
...自然人生に対してデリカシーを持つてゐない人間は軽蔑すべきかな...
種田山頭火 「其中日記」
...敏感(デリカシー)などというひけめは一切持ち合せていなかった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...敏感など――要するに一語で正確な訳語がないが「デリカシー」というひけめは一切持ち合せていない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そういう家畜の名はあるデリカシーからさけたほうがいいという説があってそれはやめになった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...小さく格好よく引きしまった鼻はインテリジェンスとデリカシーの表象であり...
寺田寅彦 「破片」
...あらゆるデリカシーというものを完全に欠如した性格であった...
寺田寅彦 「備忘録」
...封建領主間に学閥の対立があまりに尚武的であり過ぎると「医学博士売買」が切角被っていた淳朴な人情味タップリのデリカシーの皮がむけて...
戸坂潤 「社会時評」
...只単に氏の日本主義が多少頭と好みとのデリカシーを節約しているに過ぎない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...そして父はまたデリカシーのない男だから怒るばつかりだつた...
中原中也 「その頃の生活」
...ああ云う乙女(おぼこ)にはもう少しデリカシーの籠(こも)った言葉を使ってやらなくっては」「二郎はまるで堂摺連(どうするれん)と同じ事だ」と父が笑うようなまた窘(たし)なめるような句調で云った...
夏目漱石 「行人」
...それを粗野に取扱われなかった情そのもののデリカシーと...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...デリカシーの有無ということになるのです...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...ひとりで生活しているうちにしらずしらずデリカシーというものが薄らいで来てしまったのでしょうか...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...細部にわたるデリカシーの類いを完全に欠いていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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