...それが下旬に歸つたときには既に快いコバルト色に變つて居りました...
江南文三 「佐渡が島から」
...午前の濃い藍色の海は正午にほんの僅磨き上げた鋼鐵の色を呈するだけで直ちに白緑とコバルトとロウズマダを流し合はせたやうになる...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...霧の間に所々鮮かなコバルトの空も見えた...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...コバルト色のセル地を選び...
太宰治 「おしゃれ童子」
...かすれたようなコバルト色の空...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ちょっと眼の位置を変えると今までコバルト色に光っていた所が真赤に輝いたりするのだからこれはどうしても薄膜による光の干渉の色に違いない...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...コバルトの影がたまりました...
新美南吉 「手袋を買いに」
...コバルト色の背広にラッパズボンを穿いた...
野村胡堂 「死の予告」
...コバルト色の自動車がしゆんしゆんと走つて行つた...
林芙美子 「浮雲」
...緑のペンキ塗りの陳列のなかのぴかぴか光る金色、赤、コバルト、陶の涼しさ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...黄色、すみれ色、紫、コバルト、ピンク、さまざまのダイヤモンドが、何萬といふ人夫を使つて天上の星の如く少しづつ砂の中から現はれて來る...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...コバルトの(ひ)(11)を粗製硝酸に溶かしたものだと...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...今もなおコバルトさえ用いずば...
柳宗悦 「工藝の道」
...光あるコバルト色の羽をした...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...船長は平気でコバルト色の煙をプカプカやり出した...
夢野久作 「難船小僧」
...ドイツから持つて帰つて下さいましたコバルト色の線の入つたナイフで...
横光利一 「火の点いた煙草」
...僕は何時(いつ)しかコバルト色の服と猩猩緋(しやうじやうひ)の胴衣(ストン)を着た此(この)国の青年海軍士官と仏蘭西(フランス)語で話し乍(なが)ら歩いた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...スマ子女史はワイシャツの縫目からミス・フランセのコバルトの細巻をとりだして火をつけると...
吉行エイスケ 「職業婦人気質」
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