...空はコバルトに晴れ...
海野十三 「西湖の屍人」
...午前の濃い藍色の海は正午にほんの僅磨き上げた鋼鐵の色を呈するだけで直ちに白緑とコバルトとロウズマダを流し合はせたやうになる...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...コバルト色のセル地を選び...
太宰治 「おしゃれ童子」
...淡イコバルトニ少シ銀糸ヲアシラッタ地色ニ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...屈折率、くらかけの雪、丘の幻惑、カーバイト倉庫、コバルト山地、霧とマッチ、電線工夫、マサニエロ、栗鼠と色鉛筆、オホーツク挽歌、風景とオルゴール、第四梯形、鎔岩流、冬と銀河鉄道――エトセトラ...
辻潤 「惰眠洞妄語」
...ちょっと眼の位置を変えると今までコバルト色に光っていた所が真赤に輝いたりするのだからこれはどうしても薄膜による光の干渉の色に違いない...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...コバルト色の小さいスーツケースを持って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...コバルトの軍艦旗は色うすく...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...またアメリカ人は“青くなる”といった私の答えに,頬にベッタリとコバルトブルーやウルトラマリンの絵具をなすりつけたとんでもない顔を連想したのかも知れません...
間所紗織 「“青い顔”」
...コバルト放射は主療の方針であるらしく十七日の内...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...コバルトへのエレベーターや地下の廊下にも...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...どうにもならない所にまた電話でコバルト放射室が空いたから直ぐ治療を受けるように...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...コバルト放射線室の事務室には...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...二十銭出せば葉巻が二本来ますからね」二人は互いちがいにコバルト色の煙を吹上げ初めた...
夢野久作 「二重心臓」
...「僕は聯隊長のコバルト色のナイフが恐ろしくてなりません...
横光利一 「火の点いた煙草」
...あなたはコバルト色のナイフをきらきら僕の眼の前に閃かせ...
横光利一 「火の点いた煙草」
...コバルトと、白と、墨とから成つた、素朴な、さうして森厳な月夜...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それにコバルト色の冴えた斑があり...
若山牧水 「樹木とその葉」
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