...ポロス(豐足)とペニヤ(貧窮)との間に産れたるプラトンのエロスは現象の世界に在つてその到達し難き觀念の世界を抱かむとする永久の憧憬愛である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...やがてエロスはあらゆる美しさに飾られて永遠の神々の前に出できて...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...仮令愛の神(エロス)は同名の遊星の如く一般の人々には不必要に思はるゝも古きエロスはかの新しく発見せられたるエロス(星の名)が天文学者の注意を引くが如く人々の注意を奪つたのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...何故なれば多くの問題が天上のエロスに於けると等しく地上のエロスによつて喚起せられたからである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...斯くの如くエロスは実に容易に男子の行くべき道を左右し得たのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...エロス祭と大書した札を出しているのがあった...
永井荷風 「裸体談義」
...このエロス祭とよく似ていたのは日本館の隣の空地(あきち)でやっていた見世物である...
永井荷風 「裸体談義」
...エロス祭と女の首の見世物とは半歳近くつづいて...
永井荷風 「裸体談義」
...銀座の「カフェー・エロス」の別室で落ち合うことなどもありました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...その笛の音こそはプラトオのエロス――靈魂の實在にあこがれる羽ばたき――である...
萩原朔太郎 「青猫」
...思慕(エロス)の高翔(こうしょう)感に殉死しようとするところの...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...思慕(エロス)の川辺(かわべ)への追憶である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...エロスの神は遊惰(ゆうだ)をこのみ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...エロスは言葉のなかにあると自覚したことはなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...エロス(愛)であつた...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...かくの如き全運命から解放されるためにエロスにはエルピス(希望)が結び付かねばならない...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...瞑想の甘さのうちには多かれ少かれつねにエロス的なものがある...
三木清 「人生論ノート」
...理想に対する愛(プラトン的エロス)...
三木清 「人生論ノート」
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