...何でもわたしを憎んでいますよ」「アハハハ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...アハハ……」一寸法師は謎みたいなことを云って...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...アハハハ……...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...そして只今のお住居は?』『お住居? アハハハハハ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...ここだと思いやしたから急に榎(えのき)の姿を隠してアハハハハと源兵衛村中へ響くほどな大きな声で笑ったやりやした...
夏目漱石 「琴のそら音」
...大分御骨が折れましょうと笑ながら査公が申された故、答えて曰(いわ)くイエス、忘月忘日「……御調べになる時はブリチッシュ・ミュジーアムへ御出かけになりますか」「あすこへはあまり参りません、本へやたらにノートを書きつけたり棒を引いたりする癖があるものですから」「さよう、自分の本の方が自由に使えて善ですね、しかし私などは著作をしようと思うとあすこへ出かけます……」「夏目さんは大変御勉強だそうですね」と細君が傍から口を開く「あまり勉強もしません、近頃は人から勧(すす)められて自転車を始めたものですから、朝から晩までそればかりやっています」「自転車は面白うござんすね、宅ではみんな乗りますよ、あなたもやはり遠乗をなさいましょう」遠乗をもって細君から擬(ぎ)せられた先生は実に普通の意味において乗るちょう事のいかなるものなるかをさえ解し得ざる男なり、ただ一種の曲解せられたる意味をもって坂の上から坂の下まで辛うじて乗り終(おお)せる男なり、遠乗の二字を承って心安からず思いしが、掛直(かけね)を云うことが第二の天性とまで進化せる二十世紀の今日、この点にかけては一人前に通用する人物なれば、如才なく下のごとく返答をした「さよう遠乗というほどの事もまだしませんが、坂の上から下の方へ勢よく乗りおろす時なんかすこぶる愉快ですね」今まで沈黙を守っておった令嬢はこいつ少しは乗(で)きるなと疳違(かんちがい)をしたものと見えて「いつか夏目さんといっしょに皆でウィンブルドンへでも行ったらどうでしょう」と父君と母上に向って動議を提出する、父君と母上は一斉に余が顔を見る、余ここにおいてか少々尻こそばゆき状態に陥るのやむをえざるに至れり、さりながら妙齢なる美人より申し込まれたるこの果し状を真平(まっぴら)御免蒙(ごめんこうむ)ると握りつぶす訳には行かない、いやしくも文明の教育を受けたる紳士が婦人に対する尊敬を失しては生涯(しょうがい)の不面目だし、かつやこれでもかこれでもかと余が咽喉(のど)を扼(やく)しつつある二寸五分のハイカラの手前もある事だから、ことさらに平気と愉快を等分に加味した顔をして「それは面白いでしょうしかし……」「御勉強で御忙しいでしょうが今度の土曜ぐらいは御閑(おひま)でいらっしゃいましょう」とだんだん切り込んでくる、余が「しかし……」の後には必ずしも多忙が来ると限っておらない、自分ながら何のための「しかし」だかまだ判然せざるうちにこう先(せん)を越されてはいよいよ「しかし」の納り場がなくなる、「しかしあまり人通りの多い所ではエー……アノーまだ練(な)れませんから」とようやく一方の活路を開くや否や「いえ、あの辺の道路は実に閑静なものですよ」とすぐ通せん坊をされる、進退(しんたい)これきわまるとは啻(ただ)に自転車の上のみにてはあらざりけり、と独(ひと)りで感心をしている、感心したばかりでは埒(らち)があかないから、この際唯一(ゆいいつ)の手段として「しかし」をもう一遍繰(く)り返(かえ)す「しかし……今度の土曜は天気でしょうか」旗幟(きし)の鮮明ならざること夥(おびただ)しい誰に聞いたって、そんな事が分るものか、さてもこの勝負男の方負とや見たりけん、審判官たる主人は仲裁乎(ちゅうさいこ)として口を開いて曰(いわ)く、日はきめんでもいずれそのうち私が自転車で御宅へ伺いましょう、そしていっしょに散歩でもしましょう、――サイクリストに向っていっしょに散歩でもしましょうとはこれいかに、彼は余を目してサイクリストたるの資格なきものと認定せるなりこのうつくしき令嬢と「ウィンブルドン」に行かなかったのは余の幸であるかはた不幸であるか、考うること四十八時間ついに判然しなかった、日本派の俳諧師(はいかいし)これを称して朦朧体(もうろうたい)という忘月忘日 数日来の手痛き経験と精緻(せいち)なる思索とによって余は下の結論に到着した自転車の鞍(くら)とペダルとは何も世間体を繕(つくろ)うために漫然と附着しているものではない、鞍は尻をかけるための鞍にしてペダルは足を載せかつ踏みつけると回転するためのペダルなり、ハンドルはもっとも危険の道具にして、一度(ひとた)びこれを握るときは人目を眩(くらま)せしむるに足る目勇(めざま)しき働きをなすものなりかく漆桶(しっとう)を抜くがごとく自転悟を開きたる余は今例の監督官及びその友なる貴公子某伯爵と共に(くつわ)を連(つら)ねて「クラパムコンモン」を横ぎり鉄道馬車の通う大通りへ曲らんとするところだと思いたまえ、余の車は両君の間に介在して操縦すでに自由ならず、ただ前へ出られるばかりと思いたまえ、しかるに出られべき一方口が突然塞(ふさが)ったと思いたまえ、すなわち横ぎりにかかる塗炭(とたん)に右の方より不都合なる一輛(いちりょう)の荷車が御免(ごめん)よとも何とも云わず傲然(ごうぜん)として我前を通ったのさ、今までの態度を維持すれば衝突するばかりだろう、余の主義として衝突はこちらが勝つ場合についてのみあえてするが、その他負色の見えすいたような衝突になるといつでも御免蒙るのが吾家伝来の憲法である、さるによってこの尨大(ぼうだい)なる荷車と老朽悲鳴をあげるほどの吾が自転車との衝突は、おやじの遺言としても避けねばならぬ、と云って左右へよけようとすると御両君のうちいずれへか衝突の尻をもって行かねばならん、もったいなくも一人は伯爵の若殿様で、一人は吾が恩師である、さような無礼な事は平民たる我々風情(ふぜい)のすまじき事である、のみならず捕虜の分際として推参な所作と思わるべし、孝ならんと欲すれば礼ならず、礼ならんと欲すれば孝ならず、やむなくんば退却か落車の二あるのみと、ちょっとの間に相場がきまってしまった、この時事に臨んでかつて狼狽(ろうばい)したる事なきわれつらつら思うよう、できさえすれば退却も満更(まんざら)でない、少なくとも落車に優(まさ)ること万々なりといえども、悲夫逆艪(さかろ)の用意いまだ調(ととの)わざる今日の時勢なれば、エー仕方がない思い切って落車にしろ、と両車の間に堂と落つ、折しも余を去る事二間ばかりのところに退屈そうに立っていた巡査――自転車の巡査におけるそれなお刺身のツマにおけるがごときか、何ぞそれ引き合に出るのはなはだしき――このツマ的巡査が声を揚げてアハ、アハ、アハ、と三度笑った...
夏目漱石 「自転車日記」
...それに以前からあまり数奇(すき)でない方だから」「君シャーレマンの鼻の恰好(かっこう)を知ってるか」「アハハハハ随分気楽だな...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...アハヴとロータスの別離の場面がまざまざと眼の先に展開しはじめて...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...アハハハ(スミを見て笑ひながら馭者台へ...
三好十郎 「おスミの持参金」
...アハハハ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...)仙太 アハハハ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...お前こそお気の毒様みてえたもんだて! アハハハハ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...君が以前食べたというのはどういう風(ふう)に料理したか」大原「牛肉の煮込のように鍋の中へ豚の生肉を打(ぶ)ち込(こ)んで煮たのさ」主人「アハハそれこそ言語同断(ごんごどうだん)乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)というものだ...
村井弦斎 「食道楽」
...アハハお登和や、一つお酌(しゃく)をしてお進(あ)げ」大原「有難(ありがた)い...
村井弦斎 「食道楽」
...小山が側より笑いながら「アハハお世辞ではないか」大原「ウンニャ実際だ...
村井弦斎 「食道楽」
...赤児はハアハア言って甘美そうに飲んだ...
室生犀星 「童子」
...孫悟空と同じに華果山(カカサン)の金の卵から生れた事だけは確実……だろうと思うんだが……アハハ洒落(しゃれ)じゃないよ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...「アハハハ、私は鬚野房吉というルンペンです」「……ナ……何だルンペンとは……」「ルンペンというのは独逸(ドイツ)語です...
夢野久作 「超人鬚野博士」
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