...純一無垢な自然の欲望の止みがたさを如実に歌つてゐるものは...
薄田泣菫 「独楽園」
...額の皺が人間の閲歴を如実に語るものである事は言う迄もなかろう...
高村光太郎 「人の首」
...今度のこの失敗たるやいよいよもって私にとっては致命的(フェータル)なものたることを如実に示してきたのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...世間といふものがどんなに意地悪いかを如実に見せつけられたゞけだつた...
種田山頭火 「行乞記」
...異民族との交易(特に和人)という社会経済史的な事実の定期的な繰返しの上に形成されたものであることを如実に物語るものと考えられるのであります...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...凡(およ)そ是等(これら)一味の友にわが見得せる所を如実(さながら)に分かち伝へんが為めに語らんとはするなり...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...思ったことを如実に言い現わすためには...
寺田寅彦 「柿の種」
...なかんずく速須佐之男命(はやすさのおのみこと)に関する記事の中には火山現象を如実に連想させるものがはなはだ多い...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...それを如実に描写しようというのである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...物質とエネルギーとの転換を如実に示した...
中谷宇吉郎 「未来の足音」
...この半蓋馬車(ブリーチカ)の恰好を如実に読者諸子に描写して御覧に入れることの出来ないのは甚だ残念である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...先生の孝養の並々でなかったことを如実に物語るものはこの感謝状でなければならぬ...
武者金吉 「地震なまず」
...このことを如実に語る...
柳宗悦 「雑器の美」
...そこに住みついてすら有為転変を如実に感じさせる所である...
柳田国男 「故郷七十年」
...作り上げて行く「細胞の記憶力」の大作用を如実に首肯されると同時に……何が胎児をそうさせたか……という「胎児の夢」の存在に関する疑問の数々も...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...又は……これから舞いはじめる……とか……これから狂う……とか……これが私の誇りである……境界である……悲しみである……喜びである……とか……ここが大切な処である……とか……これから曲の気分がかわる……とか……これで一段落である……とかいう心を如実に見せ...
夢野久作 「能とは何か」
...死の危機へ近づいている様子を如実(にょじつ)に聞いても...
吉川英治 「宮本武蔵」
...我々はただ現在の運命を如実に見きわめることによって(すでに起こった事に対する謙虚な忍従によって)...
和辻哲郎 「停車場で感じたこと」
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