...炎熱地獄の大苦艱(だいくげん)を如実に感じるからでもございませうか...
芥川龍之介 「地獄変」
...純一無垢な自然の欲望の止みがたさを如実に歌つてゐるものは...
薄田泣菫 「独楽園」
...いかに彼の闘争心が強いかを如実に示してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...吾れは唯(たゞ)自ら見得せる所を如実に語り出(い)づべきのみ...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...敵の証言が味方のそれよりもかえって当人の美点を如実に宣明することもしばしばあるのである...
寺田寅彦 「埋もれた漱石伝記資料」
...芭蕉の数奇をきわめた体験と誠をせめる忠実な求道心と物にすがらずして取り入れる余裕ある自由の心とはまさしくこの三つのものを具備した点で心敬の理想を如実に実現したものである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...その場その場の同居人の気持ちを如実に表すものとだけはわかるが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...文章の恐ろしさを如実に示しているような気がするのである...
中谷宇吉郎 「寒月の「首縊りの力学」その他」
...地球の力を如実に示すこの新火山にして初めて感ぜられる気持なのであろう...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...この半蓋馬車(ブリーチカ)の恰好を如実に読者諸子に描写して御覧に入れることの出来ないのは甚だ残念である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...写実主義は現実を如実に描写するものではない...
二葉亭四迷 「平凡」
...「よろしく配慮を――」と云った主君邦夷の言葉がそれを如実に語っていたのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...久保田万太郎氏の「春泥」はこの町のしゞまを如実に描破してゐる...
正岡容 「下町歳事記」
...先生の孝養の並々でなかったことを如実に物語るものはこの感謝状でなければならぬ...
武者金吉 「地震なまず」
...当時の法官採用試験の実状を如実に物語っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この小さな筆筒もこれらの真理を如実に告げてくれる...
柳宗悦 「工藝の道」
...そこに住みついてすら有為転変を如実に感じさせる所である...
柳田国男 「故郷七十年」
...永久に説明出来ない現象が存在する事を如実に証拠立て得る事になるという...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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