...板のやうな掛蒲団を袷(あはせ)の上に被(かぶ)つて禿筆(ちびふで)を噛みつゝ原稿紙に対(むか)ふ日に焼けて銅(あかゞね)色をしたる頬の痩(やつ)れて顴骨(くわんこつ)の高く現れた神経質らしい仝(おな)じ年輩(としごろ)の男を冷やかに見て...
内田魯庵 「貧書生」
...死ぬる前数日間なりと神がその手を緩(ゆる)め給わんことを乞うたのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...更に粗喰と不自由とを以て勤めて其損害の幾分乎(か)を償(つぐの)わんことを勤めたり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...………明後日の朝早うに立っても間に合わんことないねんで」幸子は雪子が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...さだめてわれに謀(はか)られたりとおぼし召され候わんこと...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...なんや褄目(つまめ)の合わんこというて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...天国にやすらわんことを...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...私ども一同を祝福したまわんことを」と...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...先生にも似合わんことをおっしゃる」「強い...
中里介山 「大菩薩峠」
...なおその限られたる勢力を行わんことを喜びとなし...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...頑固(ぐわんこ)に口を噤(つぐ)んで白状せず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親類のやうでもあるが――」「――親類なんかぢやありません」甲子太郎は頑固(ぐわんこ)に首を振りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんな事で親分が――」八五郎は頑固(ぐわんこ)に頭を振ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼻も顴骨(くわんこつ)も高く顎(あご)が開いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(二七)桓公(くわんこう)實(じつ)は少姫(せうき)を怒(いか)つて...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...云わんこっちゃないわい...
夢野久作 「名娼満月」
...朴氏は勧工場(くわんこうば)へ私を伴(つ)れて行つたが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そんなでたらめはよその人の前でいわんこった...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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