...わびしい無智な誇りではあったが...
太宰治 「八十八夜」
...われ/\は、この力のない、わびしい、果敢(はか)ない光線が、しんみり落ち着いて座敷の壁へ沁み込むように、わざと調子の弱い色の砂壁を塗る...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...いつも暗いわびしいたえがたい心になった...
田山花袋 「田舎教師」
...時雄はわびしい薄暮を苦(にが)い顔をして酒を飲んでいた...
田山花袋 「蒲団」
...そのわびしい室(へや)の窓ガラスを通して...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わびしい異郷にあっておなじ日本人にであったというよろこびを誇張して...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...晩秋のわびしい光をかんじ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...秋の物わびしい午後であつた...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...わびしい砲煙の白くただよふ...
萩原朔太郎 「宿命」
...わびしい部屋のなかの海...
原民喜 「災厄の日」
...おまへの居ない家のわびしい夜が...
原民喜 「小さな庭」
...彼等の迎えるであろうわびしいクリスマスを思って...
堀辰雄 「木の十字架」
...妙にしみじみいのちの底からわびしい気がした...
正岡容 「寄席」
...二次の日はどう天気がぐれたものか朝から秋の様にわびしい雨が降って居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その小川の水源のわびしい分水嶺を越えていつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...ふたつとも孤立無援のわびしいものと相成りましょう」「そうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...昔の地域の所に横文字のわびしい看板だけは見せている...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ざっと以上のようなわびしいものだった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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