...わびしい時には、下宿で毛布をかぶって勉強するのだ...
太宰治 「乞食学生」
...私はわびしいやら...
太宰治 「女生徒」
...剥がしてまだ張らない障子はわびしい...
種田山頭火 「行乞記」
...何だかわびしいものですね(さういふ経験を持つてゐる人も少くないだらう)...
種田山頭火 「其中日記」
...時雄はわびしい薄暮を苦(にが)い顔をして酒を飲んでいた...
田山花袋 「蒲団」
...どうも窓越しに雫落ちるわびしい庭を見ているとしか思えない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...記憶はほの白む汽車の窓にわびしい東雲をながめるやうで過ぎさる生活の景色のはてをほのかに消えてゆく月のやうだ...
萩原朔太郎 「記憶」
...すべてがわびしい闇のなかに――物語の終結は近づいてゐた...
原民喜 「ある時刻」
...ハァヴァード大学で競艇(クルウ)の選手をしたこともある孝吉が越中ひとつのわびしい姿で箱のなかにおさまり...
久生十蘭 「ノア」
...彼等の迎えるであろうわびしいクリスマスを思って...
堀辰雄 「木の十字架」
...なんとなくものわびしい氣持(きもち)がするのでした...
水野仙子 「冬を迎へようとして」
...影の多い書斎で、わびしい気持で、古雑誌などを繰り返して居る私は、ほんとに何だかみじめな、すねものの様に見える...
宮本百合子 「雨の日」
...夕ぐれ夕ぐれになると渚はしだいにつめたくなりむかふの島から狐火がながれてくるのだ孔雀の尾のやうに光りしづかな島蔭をめぐつてはいくつもいくつも浪の穂に戯れてながれてくるのだ岬の海鳥にまじりわたしも海鳥の眼つきをしてこのながれよる灯火をかぞへてゐると放埒にすさみはてたわたしの運命のうらぶれてわびしいありかがいきものの呼吸のやうにほとほと...
三好達治 「測量船拾遺」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...まして宮はわびしい気持ちになっておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...再び巷(ちまた)にわびしい姿を見せた...
吉川英治 「剣難女難」
...わびしい晩飯の膳(ぜん)をすえて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ざっと以上のようなわびしいものだった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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