...身を震わせば人形もともにわななくごとくなり...
泉鏡花 「活人形」
...風にわななく蘆の葉の波間に沈む一ふしよ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...擁(だき)しめに胸(むね)ぞわななく...
薄田淳介 「白羊宮」
...わななく手元で脇差を取ると早くも鞘(さや)を払い...
中里介山 「大菩薩峠」
...結論青野にわななく鳩(ふたこゑどり)...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...線の美しい細面(ほそおもて)、情熱的な大きな眼、わななく紅い唇、町娘らしく折屈(おりかが)みも尋常で、赤い袖口から出た手の可愛らしさなどは譬(たと)えようもありません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...赤いがわななく唇や...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...が、綺麗な小さい顔、わななく唇、一生懸命な瞳を見ていると、どんな不自然なことでもガラッ八は信じてやりたいような気になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わななく唇が少し動くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わななく手頭(てさき)を引手へ懸けて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...わななくこえで申しました...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...わななく膝を踏み締めて...
夢野久作 「戦場」
...わななく指を額に当てた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...背筋へ氷を当てられたような笑い顔をしながら三本目のMCCへわななくマッチを近付けた...
夢野久作 「二重心臓」
......
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...お家の浮沈はこの席で、東するか西するか、評議一つで定まるのじゃぞ」「仰せの通りです」「にも関(かか)わらず、なんじゃ……」と、蔵光正利は、わななく指を、官兵衛の面へ指して、膝をも共ににじり出しながら、「その顔は……その顔は、なんじゃ」「この顔が? いけませんかな」「おぬし、いつ髯(ひげ)を剃った」「ただ今...
吉川英治 「黒田如水」
...許さぬとも」「…………」帝はわななく唇をかみしめてただ無言を守っておられた...
吉川英治 「三国志」
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