...たださっき通った牛車(ぎっしゃ)のわだちが長々とうねっているばかり...
芥川龍之介 「偸盗」
...轍(わだち)の泥のかんかんにこびりついたままになっている収穫車の上には...
有島武郎 「フランセスの顔」
...おのが車の轍(わだち)にかけしことありと知りてより...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...けだしこの朝の小雨が仏軍大砲の轍(わだち)を汚し...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...牛込区河田町(かわだちょう)の姉崎夫人邸に立寄った...
江戸川乱歩 「悪霊」
...車のわだちのあとに生えてゐたおばこ草もいつの間にかなくなつた...
竹久夢二 「砂がき」
...轍(わだち)の跡の凹凸(おうとつ)も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...地面の中に隠された轍(わだち)であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...其等の轍(わだち)をふまないために...
中島敦 「光と風と夢」
...郊外電車の轍(わだち)の音が...
中原中也 「我が生活」
...笛の音のする里へ行かうよ俥に乘つてはしつて行くとき野も 山も ばうばうとして霞んでみえる柳は風にふきながされ燕も 歌も ひよ鳥も かすみの中に消えさるああ 俥のはしる轍(わだち)を透してふしぎな ばうばくたる景色を行手にみるその風光は遠くひらいてさびしく憂鬱な笛の音を吹き鳴らすひとのしのびて耐へがたい情緒である...
萩原朔太郎 「青猫」
...どろんこの轍(わだち)の中へ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...思いがけない運命ではまりこんだ轍(わだち)から...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...帝王の轍(わだち)の跡を追うよりは手に抱えた百銭の財の方がはるかに大事だった...
吉川英治 「三国志」
...――これからは車の両輪、わだちを揃えて、天下の処理にあたるのだと、主人も申しおりました...
吉川英治 「私本太平記」
...とかすかな軌(わだち)の音が濡れた大地を静かにきしんでくる...
吉川英治 「親鸞」
...兵車の軌(わだち)のもとに楊貴妃(ようきひ)を失った漢皇(かんおう)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...財物を乗せた牛車の轍(わだち)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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