...』一とわたり事件の説明がすむと婆さんは非常にはつきりと...
伊藤野枝 「白痴の母」
...天地も裂けとぶような大爆発が船内にひびきわたり...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...わたりがはゆきといふことばを造つてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...ご亭主は土間のお客を一わたりざっと見廻し...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...頭脳はかえって冴えわたり...
太宰治 「狂言の神」
...私は木像をひとわたり見た後に檮の脇立を借りて眼を通した...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...水に強いと云う桂(かつら)の径(わたり)二尺余の刳(く)りぬき...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼女の心境がいっそう澄みわたり...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...御身は亘理(わたり)」能登守は篤(とく)と南条の面を見つめた後に...
中里介山 「大菩薩峠」
...晝過まで一わたり搜しましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...両国の西東をひとわたり見て歩いたら見当ぐらいはつくかも知れません」八五郎はもう張り切った騎士のように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そしてその反響は冷然と響きわたり...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...そのような空気のアメリカへ、伊藤がまずわたり、西園寺がわたり、黒田開拓使次官がわたってゆくのである...
服部之総 「黒田清隆の方針」
...「我が正義党は最近二回にわたりて...
平林初之輔 「鉄の規律」
...花子はこんな世渡(よわたり)をする女の常として...
森鴎外 「花子」
...なかば開けるまひ扇(おうぎ)に頤(おとがい)のわたりを持たせて...
森鴎外 「文づかひ」
...「殿さまは御出立のとき見舞いにおわたりなされまして...
山本周五郎 「落ち梅記」
...香流川(かなれがわ)をわたり...
吉川英治 「新書太閤記」
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