...多少の前借(ぜんしゃく)の出来そうなのはわずかにこの雑誌社一軒である...
芥川龍之介 「十円札」
...世の中にあるわずかばかりの真の協力は人々の耳に聞こえない協和音であってなきにひとしいものである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...わずか十三ページの小品について...
太宰治 「女の決闘」
...わずかに私の自由になるくらいのもので...
太宰治 「新釈諸国噺」
...彼はわずかに、大勢の談話の中に交って彼女の語る声を聞き、またその頬にあのほゝえみの浮かぶのを餘所(よそ)ながら眺めては、それをせめてもの慰めにして日を送った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...わずか数日の間にもうみんな一人前のみずすましになった...
寺田寅彦 「沓掛より」
...そうしてわずかな平地(ひらち)に掛茶屋があって...
夏目漱石 「行人」
...わずかに午(ご)を過ぎたる太陽は...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...わずかに数日のあいだ...
蜷川新 「天皇」
...まったく影の薄いようなわずかのものだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...わずかな音も立てずホールを横切り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...年出生の年結婚に対する比率からするとわずかに四・三分の二人に過ぎないように見えるであろうが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...私はひどく貧乏で中学の学費だけは親戚の者たちからわずかづつ支給してもらっていたが...
三好十郎 「ゴッホについて」
...わずかずつ下流の人里と交通を試みているうちに...
柳田国男 「山の人生」
...わずか数里を離れたいわゆる比叡の山蔭になると...
柳田国男 「雪国の春」
...木の形も荒くれているためにわずかに浦人が実を採って枕に入れるくらいで...
柳田国男 「雪国の春」
...沢庵のわずかな欲望を驚かす数々の贈り物が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...わずかに斬った髪の毛だけを証(しるし)に見せ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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