...それらはしかし実に何ものでもないものと区別し得られないほど極めてわずかの実在性をしか私に示さないからして...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...このほうは建築とちがって一夜にでもわずかな費用で取り付けられる...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...われわれ階級の生活に許される程度のわずかな面積を泉水や植え込みや石燈籠(いしどうろう)などでわざわざ狭くしてしまって...
寺田寅彦 「芝刈り」
...空地(あきち)と云っては畑の中程に瘠(や)せこけた桑樹と枯れ茅(かや)枯れ草の生えたわずか一畝に足らぬ位のものであった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ほんのわずかばかり雪が降ったが...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...わずかな人数にかぎっておくからさしつかえはない...
夏目漱石 「三四郎」
...中大兄の同志はわずかに五人であったが...
蜷川新 「天皇」
...例えば演奏わずかに二分間そこそこの「エチュードハ短調=作品一〇の一二(革命)」に盛られた...
野村胡堂 「楽聖物語」
...少年の柔かな口もとに浮かぶわずかな微笑は...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...わずか一と月ほどののち...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...ほんのわずかなことしか知らないし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...わずか数時間前、私はしがない無名の絵描きで一、二シリング稼ぐのに四苦八苦し、じきに宿無しになる恐れがあったのに、いまや異常な陰謀に巻き込まれ、欧州の支配者達と接触している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...一国は非常に長期間に亙り多量の剰余栽培を維持しながら穀物の栽培価格をほんのわずか増加させ...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...苦痛に瘠せた蒼白い顔をわずかにこっちへ向けた...
吉川英治 「剣難女難」
...わずか東へ一里少々...
吉川英治 「私本太平記」
...あッと蒐(かか)り足を竦(すく)めたわずかな隙に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...猿島の館は、自分の手で焼き払い、ここにたて籠って、さいごの一戦を――と計ったのであるが、なんと、営中の兵をかぞえれば、わずか四、五百騎しか余していない...
吉川英治 「平の将門」
...もうあとわずかのところだからと言って...
和辻哲郎 「非名誉教授の弁」
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