...今日までの間毎年諸君から徴集していた小作料金に比べればまことにわずかなものです...
有島武郎 「小作人への告別」
...然るに今日わずかに田中正造君の口を藉(か)りてはじめて世に紹介されたということは...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼はわずかに、大勢の談話の中に交って彼女の語る声を聞き、またその頬にあのほゝえみの浮かぶのを餘所(よそ)ながら眺めては、それをせめてもの慰めにして日を送った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そうして実にわずかばかりの科学の知識をたのんで...
寺田寅彦 「ロプ・ノールその他」
...ただ心を許したわずかの友と深く交わっているに過ぎぬ...
寺田寅彦 「わが中学時代の勉強法」
...生き残った同級生はわずか四名だったそうです...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...わずかばかりの口銭を取って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その関係がどこまでも形式的な虚偽的なもので僅(わずか)に保たれていたのだという見地から...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...わずか数時間のうちにイズミの顔色が見事に良くなっていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...わずかな距離を隔てても...
柳田国男 「年中行事覚書」
...わずかの間になにもかも変った」「御家老……」「山県先生が幕府の手にかかるのは時日の問題となった...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...ここわずかな年月(としつき)によくもやり通して来られたものと...
吉川英治 「黒田如水」
...居ることわずか一年足らずで...
吉川英治 「三国志」
...わずか一時でよい...
吉川英治 「私本太平記」
...わずかながら下僕(しもべ)働きしていた縁故などもござりまして」「むむ...
吉川英治 「新書太閤記」
...わずか二千の兵がいたきりだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...伊丹安太夫の伜(せがれ)のわずか八歳といういたいけな幼児(おさなご)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...わずかのご事蹟でも見出したら...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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