...わざと大袈裟(おおげさ)に舌打ちをして...
芥川龍之介 「妖婆」
...気違いじみたしわざとお笑いになるかもしれないが...
有島武郎 「或る女」
...ね」と義雄はわざと落ち付き拂つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...わざと帽子を阿弥陀(あみだ)にかぶったり...
梅崎春生 「桜島」
...わざと畳へ響きを立てゝ威勢よくすわった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...わざとほじくり返すような余計なこというて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...以上は問題をわざと自然科学に限定して来たのであるが...
戸坂潤 「科学論」
...シロとクロがわざとふざけて...
豊島与志雄 「シロ・クロ物語」
...背の低い人をわざと人中へ引張り出してその身(み)の丈(たけ)を測って見せるような心なき仕業(しわざ)に似ておりますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...わざと列を離れているのもある...
夏目漱石 「三四郎」
...左の頬に拵へたわざとらしいほくろ...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...わざと木津さんに聞えるような高ッ調子で...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...わざとらしくないひかえ目なところなど...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あるいはなんだかわざとらしい訊き方だったとか?」「そういうことは...
平林初之輔 「五階の窓」
...わざと仰山にそんなことをいふので私は慌てゝ馭者台の傍らにすゝみ寄り...
牧野信一 「山峡の村にて」
...わざと作り出した若い貴人の手本かとも思われる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わざと期限を短くしてそうすることができないようにすることもあった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...やや姿態(しな)を曲げてわざとのようにその時被衣(かずき)を横にして顔をかくして通った...
吉川英治 「親鸞」
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