...境内わきの、左手の庵室、障子を閉して、……たゞ、假に差置いたやうな庵ながら構は縁が高い、端近に三寶を二つ置いて、一つには横綴の帳一册、一つには奉納の米袋、ぱら/\と少しこぼれて、おひねりといふのが捧げてある、眞中に硯箱が出て、朱書が添へてある...
泉鏡花 「遺稿」
...林のわきに走り出て...
梅崎春生 「桜島」
...「無礼者」平三郎は腰に差していた脇差(わきざし)を抜いて斬(き)りつけた...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...ほこ形の警棒を小脇(こわき)にして...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...涙(なんだ)は新たに泉とわきぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...三味線だけを小脇(こわき)にかかえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...傍道(わきみち)から不意に姿を現わした旅人がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「せんだってなどは学校から帰ってすぐわきへ出るのに着物を着換えるのが面倒だものですから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...某政治家も爛酔(らんすい)して前後もわきまえず女中の助けをかりて蹣跚(まんさん)として玄関に来たが...
新渡戸稲造 「自警録」
...わきがもう灰色になりかけた栗色の髪は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...林町のすぐわきに六月ごろから住んでいるということ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...紫の女王の美は昔の野分(のわき)の夕べよりもさらに加わっているに違いないと思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼女が長火鉢のわきに茫然と...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...若い煙火師はすべて革だすき、長わき差、指揮役の老人や審判者や土地の代官などは、すべて陣羽織に小具足という身ごしらえであらわれる...
吉川英治 「銀河まつり」
...はやく拙者(せっしゃ)の脇差(わきざし)をぬいてこの縄を切ってくれ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...つい前後の弁(わきま)えなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...あわれな味方の残軍を宮脇(みやわき)の辺りで目送していたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...今日という日に迷信がわき起るほど...
吉川英治 「宮本武蔵」
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