...葉子は挨拶(あいさつ)もろくろくしないでいきなり岡の手をしっかりと取った...
有島武郎 「或る女」
...ろくろく唄もうたわなかったからして...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...沼南と仕事を侶(とも)にした提携者や門下生的関係ある昵近(じっきん)者さえが「復たユックリ来給え」で碌々(ろくろく)用談も済まない中(うち)に撃退されてブツクサいうのは珍らしくなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...誰にも碌々(ろくろく)読まれず...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ろくろく口もきかないのだ」ネルスキーは...
海野十三 「地軸作戦」
...洪水以来夜もろくろく寝ないで考えていたことを打ち明けた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ろくろく勉強もせず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それに勉強もろくろくせなかったためだろう...
寺田寅彦 「わが中学時代の勉強法」
...お島は朝から碌々(ろくろく)物も食べずに...
徳田秋声 「あらくれ」
...」浅井はろくろく髪なども結う隙(ひま)のないほど...
徳田秋声 「爛」
...父はそれをろくろく聞こうともしなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...活溌々転轆々(ろくろく)として凡(およ)そその馳(ちぶ)するを得る所はこれに馳し...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...この四五日(しごんち)は碌々(ろくろく)寐(ね)るひまもない位だと云う報知である...
夏目漱石 「それから」
...その日は碌々(ろくろく)口もきかないで塞(ふさ)ぎ込んでいた...
夏目漱石 「幻影の盾」
...お政は始終顔を皺(しか)めていて口も碌々(ろくろく)聞かず...
二葉亭四迷 「浮雲」
...子供とも細君ともろくろく口を利かず自分の部屋にばかりもぐつてゐた...
牧野信一 「父を売る子」
...姫君はまだはかないようなふうでろくろく食べなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「それらはみな碌々(ろくろく)たる小人のみで論ずるにも足らん...
吉川英治 「三国志」
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