...せっかくそっとして置いた心のよどみがかきまわされて...
有島武郎 「或る女」
...凝然としてよどみわたった或るものとして私にせまる...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...男は些(ちよ)と足淀(あしよどみ)して...
石川啄木 「二筋の血」
...姉はよどみなく、三人がいっしょにおもしろそうに遊んでいますとの答えに、妻は安心して休みおった...
伊藤左千夫 「奈々子」
...よどみがなかった...
海野十三 「金属人間」
...そこに小さなよどみと云いますか...
大阪圭吉 「死の快走船」
...航路から見た下界の模様を逐一よどみなく申し立てた...
大庭武年 「旅客機事件」
...またしても濃い睫毛の下よりこぼれでる涙の雫(しずく)は流れよどみて日にきらめいた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...われは生れて町に住むよどみし時代の児なりけり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...一度むらむらと湧き乱れたよどみは又落ちついて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...石面に薄い湯花がよどみ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
......
中山啓 「先駆者」
...桜の花片(はなびら)が二つ三つ散りよどみます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そして天気のよい日に十五分間の滞潮(よどみ)を利用して...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...再び素晴らしい歌声がよどみなく響いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...巧まざる心懐の淙々と流れるよどみのなさにこゝろよく惑き入れられるものがあつた...
牧野信一 「月評」
...争つても忽ち消えてしまつて一沫のよどみも感ぜられない底(てい)の実(げ)にも長閑な春の午近い海辺であつた...
牧野信一 「まぼろし」
...あまりによどみなく語られるため...
山本周五郎 「季節のない街」
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