...一峯の數峯になりて時雨れけり落葉して武藏野遠し水明り飛ぶ鳥を追ひこす山の落葉かな伯勞鳴くや石の地藏の首が無きよかれ...
大町桂月 「國府臺」
...人間の為よかれとお守りくだされる...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...妙子のために幸先よかれと祈る心から...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私の一生はよかれあしかれ...
種田山頭火 「旅日記」
...よかれあしかれ、物事を無理に強(し)いるのはよくないと思っているので、蘿月は両方から板ばさみになるばかりで、いずれにとも賛同する事ができないのだ...
永井荷風 「すみだ川」
...青年時代に植えた種子(たね)は、よかれ、悪(あ)しかれ、いつまでも身辺に纒(まと)いつく...
新渡戸稲造 「自警録」
...いよいよかれを殺(ころ)すほかはないことをよく知っていた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...いよいよかれが帰って来そうにするのを見て...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...會社の爲めによかれと念ずる事を忘れた事は無い...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...今日の、日本の人民の一員たる現実の姿が、よかれあしかれ、そこに現出しているのである...
宮本百合子 「石を投ぐるもの」
...私共の致すことは若い人にはよかれと存じても気に染まないらしく見えます...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...――○――よかれあしかれ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分の立場をよかれあしかれ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分が創造して来た昨日までのヨーロッパ文化のよかれあしかれ最良の分野の生存者でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...よかれあしかれ本物だし立派だ...
山本周五郎 「さぶ」
...よかれあしかれみんなどこかしら違う...
山本周五郎 「日本婦道記」
...が、よかれあしかれ、彼が二心なしといってきたのは、大きな幸せ...
吉川英治 「私本太平記」
...阿波殿のお体で――よかれ悪しかれ味方の旗色(はたいろ)にすぐ響いてまいりますからな」「う……む」「海のごとく寛(ひろ)く...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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