...翌年の二月にようやくローマに到着しました...
石原純 「ガリレオ・ガリレイ」
...ようやく春の恵みに逢(お)うて...
伊藤左千夫 「春の潮」
...ようやく友人の土居記者に会わす顔があった...
海野十三 「地獄の使者」
...村民の間にもようやく前途を憂うる気分が動きつつあることがわかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...翌五九年の三月に至ってようやく「二都物語」と現在の標題が決定され...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...火取虫めのいたずらか」ようやく附木(つけぎ)の火はついた...
中里介山 「大菩薩峠」
...それだけではない、最初のほどは一匹二匹と出て来て、遠くムク犬の雄姿をのぞみ、あえて虎威をおかすことをしなかった附近の犬がようやく数を増して、何十頭というほど群がり出し、それが遠くから畏(おそ)る畏る、ムク犬の雄姿をながめていたのが、ようやく、なついてくると見えて、だんだんちかよって来ると、ついに皆、ムク犬の前後左右に尾を振って、これに朝するの有様でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そしてようやくにして持ち逃げた風呂敷包み一つだけが...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...最近に到ってようやく完成されたのである...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...ようやく最初の喝采(かっさい)を受けたフランクこそは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...下これに倣うてようやく事成る...
南方熊楠 「十二支考」
...夏月肉ようやく化して鳥となる...
南方熊楠 「十二支考」
...ようやく趣味をも知り...
森鴎外 「舞姫」
...なぜならば、ようやく、自分たちの変心は城中の味方に勘づかれているふうだし、それらの者が激昂して、いつ不意打に出て来るか知れないような危険が、身に迫っていたからである...
吉川英治 「黒田如水」
...曹操はようやく父のいる郷土まで行き着いた...
吉川英治 「三国志」
...ようやくたけなわとなった頃...
吉川英治 「三国志」
...武蔵が、かつての野育ちから洗われて、昔ながらの一野人でも、どこかに温厚を加えて来たように、沢庵もようやく、その人間に、風格というようなものや、禅家の深みを備えて来たものであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「親愛なるエロア君」――詩人はようやく重々しい口調で言う――「僕が詩人で...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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